種別 論文
主題 塩害を受けるRC暴露構造物の劣化評価
副題
筆頭著者 谷川伸(東亞合成化学工業)
連名者1 大城武(琉球大学)
連名者2 後藤信弘(新日本製鐵)
連名者3 山田義智(琉球大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 953
末尾ページ 958
年度 1994
要旨 1.はじめに
 本研究は、亜熱帯海洋性気候下の沖縄県で、海岸に隣接して建設したRC暴露構造物を対象とし、塩害による劣化過程の解明を目的としている。本暴露構造物は1984年9月に完成し、現在に至る塩害劣化の研究成果は既発表である。 本報文は、1993年11月に行った試験をもとに、コンクリート中の鉄筋の腐食評価法に関する研究成果を論述する。ここでは、定電流二重パルス重畳方式を用いた計測装置及び二重対極式モニタリング法を用い、電気化学特性値である交流インピーダンスと自然電位を測定している。また、コンクリート中の塩分量の測定も行い、塩害要因を明らかにし、電気化学特性値との相関についての考察も論述する。
4.まとめ
 暴露構造物を対象に、塩分量分析、電気化学特性値、及び鉄筋錆面積率の測定を行い、以下の研究成果が得られた。
(1)厳しい塩害環境下において、コンクリート中への塩分の拡散浸透量はコンクリート打設直後の初期から経年的に増加する。この様な外部環境に対し、アクリルゴム系の塗膜は完全に遮塩効果を表す。
(2)塗膜無塩部では欽筋腐食の発生がなく、健全域を表す。この状況に対応し、自然電位は平均値−109mV(Ag/AgCl)の貴の値を表す。しかし、塩分量の大きい塗膜有塩部及び無塗膜部では鉄筋の腐食環境に対応し、自然電位は卑の値を表す。
(3)塗膜無塩部の分極抵抗の平均値9.8KΩ・cm2は健全域を表し、塩分量の多い有塩部、及び無塗膜部では2.5KΩ・cm2より小さな値を表し、鉄筋腐食の活性域に対応する。
(4)コンクリート抵抗は塩分量に影響され、また、測定時のコンクリート表面及び内部の乾燥度によって大きく影響される。
(5)鉄筋の錆面積率は電気化学特性値に対応している。これらの研究成果から、電気化学特性値を考慮した鉄筋腐食の評価法は有効である。
PDFファイル名 016-01-1158.pdf


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