種別 論文
主題 起泡剤を用いた鋼繊維補強コンクリートの混練改善方法に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 小林健(愛知工業大学大学院)
連名者1 山田和夫(愛知工業大学)
連名者2 山本俊彦(東急建設)
連名者3 渡部憲(愛知工業大学大学院)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1233
末尾ページ 1238
年度 1994
要旨 1.はじめに
 繊維補強コンクリートの力学特性は、一般に繊維混入率を増大させることによって改善できるが、鋼繊維の場合、繊維混入率の上限は、実用的には容積比で2%程度とされている。これは、繊維混入率をこれ以上大きくすると、ミキサーでの混練が困難となり、ワーカビリチーなどの所要の性能を得ることができなくなるからである。そのため、本研究では、鋼繊維混入率を2%以上に設定した場合であっても、鋼繊維補強コンクリートの均質な混錬を通常のミキサーで容易にできる方法を確立することを目的として一連の検討を行った。すなわち、本研究では、
1)鋼繊維補強コンクリートの混練性能を向上させるために、起泡剤を使用してベースコンクリート中に空気を混入させることによって混練時の鋼繊維混入率を見掛け上減少させる、
2)空気量の増大に伴う硬化鋼繊維補強コンクリートの性能低下を回復させるために、打設直前に消泡剤を使用して空気量を所定量に減少させる、
なる一連の混練方法の有用性を調べるための基礎的研究として、まずフレッシュおよび硬化鋼繊維補強コンクリートの諸性質に及ぼす起泡剤量、消泡剤量、鋼繊維混入量、混練時間、ミキサーの種類などの影響について実験的に検討を行った。
4.結論
 本研究では、鋼繊維補強コンクリートの混練性能および硬化後の各種力学特性を向上させることを目的として、起泡剤および消泡剤を用いた一連の混練方法の可能性について実験的に検討を行った。本研究によって得られた結果を要約すると、およそ次のようにまとめられる。
1)起泡剤の混入によって、同一調合の鋼繊維補強コンクリートのスランプが著しく増大するため、限界鋼繊維混入量を起泡剤混入量に応じて増大させることができるとともに、鋼繊維補強コンクリートの混練性能も著しく改善できる。
2)鋼繊維補強コンクリートの強度および全体的なP-δ特性は、起泡剤の混入に伴う空気量の増大によって低下するが、起泡剤を混入した混練の最終段階で消泡剤を混入して空気量を減少させることによって、起泡剤無混入の鋼繊維補強コンクリートの場合と同等かもしくはそれ以上にまで各特性を回復させることが可能である。
3)鋼繊維補強コンクリートの混練性能および硬化後の各種力学特性は、使用ミキサーおよび混練時間によってもかなり相違するため、最適の起泡剤混入量および消泡剤混入量を決定するためには、これらの影響についても十分に検討しておく必要がある。
PDFファイル名 016-01-1206.pdf


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