種別 論文
主題 最近の建築現場における鉄筋コンクリート工事の施工精度に関する調査
副題
筆頭著者 伊藤正義(北海道工業大学)
連名者1 井野智(北海道大学)
連名者2 杉野目章(室蘭工業大学)
連名者3 植松武是(北海道大学大学院)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1277
末尾ページ 1282
年度 1994
要旨 1.はじめに
 限界状態設計法では、材料の品質、荷重、施工精度などの不確実性を考慮するために、いくつかの安全係数を導入する部分安全係数とよばれる照査方法を用いる。鉄筋コンクリート(以下、RCと略記)部材、とくに床スラブでは、断面寸法や鉄筋位置のばらつきの度合いが大きく、断面耐力に係わる安全係数(部材係数)を適正に定めるためには、技術水準の進歩に応じ時代を追ってなされた調査に基づく信頼性の高い統計データによるものでなければならない。
 今回、上述の目的にそって筆者らがこれまでに積み重ねてきた既往データを見直すために、鉄骨鉄筋コンクリート(以下、SRCと略記)およびRC建物の新築工事現場において、型枠、配筋、コンクリート打ち、左官仕上からなるRC工事の施工精度として、床スラブのほかに、梁材、柱打、および耐力壁の断面寸法と配筋状況等の実測調査を行ったので、その概要を報告する。
5.まとめ
 本報告は、最近のSRCまたはRC建物新築工事現場での構造部材の施工精度に関する調査結果を整理・分析し、既往データとの比較等を行ったもので、その要約を以下に列挙する。
(1)RC構造部材寸法の最大または最小誤差率は、型枠の精度に依存する柱、梁、壁がわずか±数%であるのに対し、スラブ厚では±10%となる。
(2)柱四周、梁側面、スラブ下面における鉄筋の被り厚は過薄な箇所が多く、比較的高精度の部材でも補強筋の被りがJASS 5の最小値以下となる割合が約20%であった。
(3)梁下端、壁、スラブ上面における鉄筋の被り厚は過厚になる箇所が多い。
(4)バーサボート使用または押入スペーサーの増大によりスラブ補強筋位置の保持は従前より改善されたが、依然として端部上端鉄筋で10mm内外の沈下は免れない。
(5)部材寸法と鉄筋位置のばらつきに係る部材孫数は、それそれ1.0、1.1程度となる。
(6)スラブ直仕上げ面の誤差は、1975年当時は下向きの誤差が大半を占めたが、レザービームが使用されるようになってからは誤差は、平均値が0、標準備差は5mm程度となった。
PDFファイル名 016-01-1214.pdf


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