種別 論文
主題 RCCPの施工管理に対する締固め性試験の適用方法に関する検討
副題
筆頭著者 上野敦(東京都立大学)
連名者1 大村隆一郎(東京都立大学)
連名者2 國府勝郎(東京都立大学)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1305
末尾ページ 1310
年度 1994
要旨 1.はじめに
 これまで筆者らは、転圧コンクリート舗装(以下、RCCP)を対象とした締固め層内の振動応答挙動の検討を行ってきた。また、表面振動機で締固めを行う際の締囲め層内の実測応答加速度からコンクリートが受けている締固めエネルギーを計算すれば、別途行う締固め性試験によって得られる締固め曲線によって締固め層内の充填率が推定可能であることをすでに発表している。一方、超硬練りコンクリートのコンシステンシー評価の方法として、締固めエネルギーと充填率の変化に着目した「締固め性試験」を提案してきた。
 本文は、超硬練りコンクリートのコンシステンシーの経時変化を考慮し、練混ぜ直後および60分経過後に締固め性試験を行い、締固め性の変化に応じて締固め層の表層部の充填率が所要の値となるように表面振動機の締固め時間を決定し、締固め性試験を転圧施工の品質管理に適用する方法について検討したものである。
4.まとめ
 締固め性試験を締固め層の品質管理に適用することを目的として、一定配合の超固練りコンクリートを練混ぜ直後および60分経過後に締固め性試験を行い、締固め性の変化に応じて締固め層の表層部の充填率が所要の値となるように表面振動機の締固め時間を決定し締固め試験を行った。その際にコンクリートが受けている実測応答加速度から締固めエネルギーを計算し、それとコアによる充填率との関係について検討した。その結果次のようなことがわかった。
(1)締固め層内の応答加速度は、下層の空隙放出の割合が小さくなってくると減少し、安定してくる。
(2)締固め層内の応答加速度の深さ方向の分布は、ほぼ直線分布とみなすことができる。そして、振動機の設定加速度を同じにしても、振動機の質量が大きい方が下層への加速度の伝達が良好である。
(3)締固め層内の充填率の分布は、応答加速度の分布の傾向と対応して下層ほど小さくなる。そして、締固め層内の実測応答加速度から計算した締固めエネルギーとコアの充填率との関係は、締固め性試験によって得られる締固め曲線に近似し、E98に基づいて締固め時間を決定すれば、充填率98%以上のほぼ完全な締固めが可能であることが示された。
(4)締固め層内の締固めエネルギーと充填率との関係の考察から、締固めに関する限界加速度の存在が推察された。今後、さらに締固めエネルギーの評価方法の検討を進めるとともに、応答加速度の締固め層内での減衰のメカニズムを明らかにすれば、締固め層内の充填率の推定が可能になると考えられる。
(5)配合条件や経時にともなうコンシステンシーの変化を締固め性試験のE98によって把握し、これに基づいて締固め作業の程度を定めれば、RCCPの施工を良好に管理できることが推察される。
PDFファイル名 016-01-1219.pdf


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