種別 論文
主題 ビーライト高含有セメントを用いた高強度コンクリートの高温履歴下での強度発現性状
副題
筆頭著者 青木茂(大林組)
連名者1 三浦律彦(大林組)
連名者2 竹田宣典(大林組)
連名者3 十河茂幸(大林組)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1317
末尾ページ 1322
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、鉄筋コンクリート構造物の大型化や高性能化に伴い、設計基準強度が600kgf/cm2以上の高強度コンクリートが適用されるようになってきた。この種の高強度コンクリートは、単位セメント量が多くなり、実構造物においては水和発熱に伴う温度上昇が増大し、場合によっては、高温履歴の影響による長期強度の低下が問題となることがある。この影響はマスコンクリート構造物で新著に現れるが、暑中施工においては一般の高強度コンクリート構造物においても認められ、標準養生供試体と実構造物の強度差がかなり大きくなる場合があるようである。従って、実構造物でより高い強度を達成するためには、より低発熱でしかも高温履歴下での強度発現性に優れた高性能なコンクリートが求められることになる。
 一方、ビーライト(C2S)含有量の多い低熱ポルトランドセメント(以下ビーライト高含有セメントと略称)が開発され、従来の低発熱性混合セメント以上に低発熱が達成できるとして、近年注目を集めている。そこで、このビーライト高含有セメントを採り上げ、設計基準強度が600kgf/cm2以上の高強度コンクリートヘの適用を想定し、従来の低熱型混合セメントと比較検討を行った。検討方法としては、高強度コンクリートの断熱温度上昇試験を行い、それと同じ温度履歴を供試体に与えてその後の強度発現への影響を調査した。
4.まとめ
 これまでに示した結果をまとめると以下のようになる。
(1)ビーライト高含有セメントは、コンクリートの温度上昇に伴う高温履歴を受けた時の強度発現性状が従来の低発熱型混合セメントに比べて良好であり、マスコンクリート構造物や高強度コンクリート構造物への適用性が高い。
(2)標準養生下においては、ビーライトの含有率が高くなるほど材齢28日までの強度発現は遅くなるが、高温履歴下の強度増進はより大きくなり、標準養生の材齢91日の強度より高い強度が得られる。
(3)ビーライトの含有率が高くなるほど乾燥による強度発現の低下が大きくなるため、比較的薄い部材への適用においては長期間の湿潤養生が保てるよう、型枠等に留意しなければならない。
 以上に示したように、ビーライト高含有セメントが十分な性能を発揮するためには、水和反応を長期間持続させるよう、十分な養生が必要と思われる。養生の期間は使用するセメントのビーライト含有率や粉末度などによってかなり異なると思われるため、適用に際しては使用環境条件を考慮した強度発現性状の事前確認が必要と考える。
 なお、低温下での使用に際してはまだ不明の点も多く、今後はこの種のデータを整備する必要があると思われる。
PDFファイル名 016-01-1221.pdf


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