種別 論文
主題 繊維補強コンクリート梁のひび割れ先端における微小変形に関する実験的研究
副題
筆頭著者 上原匠(名古屋工業大学)
連名者1 梅原秀哲(名古屋工業大学)
連名者2 吉田弥智(名古屋工業大学)
連名者3 信田佳延(鹿島建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 51
末尾ページ 56
年度 1994
要旨 1.まえがき
近年、コンクリート部材におけるひび割れの進展と強度との関係を解明するために、破壊力学を適用した研究が盛んに行われている。破壊力学を適用する場合の課題の1つとして、ひび割れ先端で生じている変形や破壊プロセス等の現象の把握が挙げられる。そのためにはひび割れ先端近傍の微小変形状態を広範囲にわたり、二次元的に測定する必要がある。しかし、外力が作用する場合のひび割れ先端の微小変形状態は十分に把握されておらず、ひび割れ進展の現象が明らかにされているとは言えない。
そこで本研究では、破壊面が形成されるまでのひび割れ先端近傍での微小変形を測定する方法として、流体の粒子群の変位や流速分布等の把握に対して成果を挙げているレーザースペックル法の適用について検討するとともに、繊維補強コンクリートのひび割れ先端近傍での微小変形領域の大きさ、形状、領域内での変形状態の把握を試みた。
4.まとめ
本研究で得られた結果を要約すると、以下のようになる。
(1)レーザースペックル法によるコンクリート表面の微小変形測定において、カメラの絞りF=5.6、結像倍率m=1/6の設定の場合、約15μm程度の精度で18×15cmの領域の微小変形を把握することが可能となり、ひび割れ先端近傍における破壊進行領域を視覚的に把握できる見通しが得られた。
(2)微小変形領域内の変形量は、ひび割れ先端に近いほど激増することが明らかとなった。綱繊維補強コンクリートの場合、繊維を混入することにより領域の形状が複雑になり、繊維の混入率が増加するにしたがって、ひび割れ進展方向への広がりが抑えられ、逆に垂直方向に広がることが明らかとなった。
(3)今回実験結果では、ひび割れが進展する直前の微小変形領域の大きさは、コンクリートの圧縮強度が30MPa程度の繊維無混入の場合は40×40mm程度となり、同程度の強度で綱繊維混入率1%の場合は50×80mm程度となった。微小変形領域内での干渉縞の傾きが変化する位置、すなわち干渉縞の傾きが変化する位置を結んだ方向にその後のひび割れ進展が確認された。
PDFファイル名 016-01-2007.pdf


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