種別 論文
主題 曲げ降伏する鉄筋コンクリート部材の必要せん断補強筋量
副題
筆頭著者 張富明(松村組)
連名者1
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
2
先頭ページ 581
末尾ページ 586
年度 1994
要旨 1.はじめに
鉄筋コンクリート部材のせん断強度について、種々のマクロ解析モデルあるいは塑性理論に基づく解析が行われ、設計に供するせん断強度式の提案もなされている。一方、Collinsらは部材内の応力の釣合条件と歪の適合条件に加え、コンクリートの歪軟化を考慮した修正圧力場理論に基づき、曲げせん断を受ける鉄筋コンクリート部材の変形解析を行い、注目されている。
トラスモデルに代表されるいわゆるマクロ解析モデルは、部材内の応力の流れ(抵抗機構)を直感的に解釈し、コンクリートとせん断補強筋の役割を説明しようとしている。それに対して、Collinsらの修正圧力場理論は、コンクリートとせん断補強筋を一種の複合材料として扱い、この複合要素は基本的に一種のトラス要素モデルに対応させていると思われる。
せん断ひび割れを生じた後の鉄筋コンクリート部材の主なせん断抵抗機構は、一般に、せん断補強筋などからなるトラスと、コンクリートのみの抵抗(アーチ機構など)に大別できるとされている。しかし、部材の変形状況と応力状況に対する検討がない限り、マクロ解析モデルのせん断抵抗機構の意味合い、個々のせん断抵抗機構の推移を理解できないと思われる。また、マクロ解析モデルは終局状態を想定しており、変形解析への適用にあたり、抵抗機構間に変形の適合条件が完全に満足されていないなど問題点が残されている。
本研究ではまず曲げとせん断を受ける鉄筋コンクリート部材のせん断抵抗機構と、せん断補強筋の役割を考察した後、コンクリートのトラス要素モデルを用い、曲げ降伏後の部材の曲げせん断耐力、せん断抵抗機構の推移、必要せん断補強筋などを解析的に検討する。解析手法は従来の断面曲げ解析とトラス要素モデルを結合したものであるが、せん断補強筋の役割をコンクリートを横から拘束し、トラス機構に対応させている。
7.まとめ
鉄筋コンクリート部材のせん断抵抗は、ひび割れが生じていないコンクリートの負担分とせん断補強筋を介しての負担分からなることとし、トラス要素モデルを用い、曲げ降伏後部材の耐力とせん断抵抗機構の推移を検討した結果、断面曲率の増大につれ、せん断抵抗機構はトラス機構に移ることを示した。また、曲げ型の変形性状を保証するための必要せん断補強筋量を曲率と負担せん断力の簡単な関数式で表せ、極めて簡便な式が得られた。なお、部材の変形能を確保するために、せん断補強と拘束効果を同時に考慮した横補強筋量が必要であるが、今後の課題となる。
PDFファイル名 016-01-2096.pdf


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