種別 論文
主題 PC柱のひびわれおよび破壊性状に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 宮川邦彦(九州産業大学)
連名者1 前田隆志(オリエンタル建設)
連名者2 佐藤武夫(九州産業大学)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
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先頭ページ 599
末尾ページ 604
年度 1994
要旨 1.はじめに
新幹線、モノレール、都市高速など高架構造物の施工急増に伴い、近年、土木構造分野でも建築構造物と同様、柱部材の設計が重要視されるようになってきた。特に我が国は地震多発地帯に位置する関係上、構造物の崩壊原因に繋がる柱部材の構造安全性を十分に確保しておくことが不可欠である。ところで、主に地震時の建築構造物に観られるRC短柱のせん断破壊や軸方向鉄筋の座屈破壊、また、土木構造物でも、モノレール橋脚に観られるRC長柱の供用状態下における曲げひびわれ発生に起因する耐久性や美観性の低下など、現行の柱部材に対する設計にはまだ改善、あるいは究明すべき問題が残されているように思われる。なお、これらの問題点は、現行の設計法がコンクリートの時間依存ひずみ(乾燥収縮およびクリープ)に起因する断面内部の応力移行現象を無視して設計している点にあると考えられる。一方、主に軸圧縮力を受ける柱部材にプレストレッシングの原理を適用することには若干矛盾を感じる向きもあろうが、PC柱を使用すれば、前述のようなRC柱に観られる構造上の欠点を改善できるとともに、高強度化による部材寸法の削減や自重軽減、あるいはプレキャスト化による現場施工の省力化や迅速施工など、これまでにはり部材で培われてきたPC構造の特長を柱部材の施工にも十分活用し得るものと考えられる。
そこで本研究では、比較検討のために曲げ破壊耐力がほぼ等しいRC柱とPC柱とを作製し、各部材の水平載荷時におけるひびわれ耐力や変形性状などを調べ、PC柱の有用性を検証した。以下に本研究の概要および結果について述べる。
5.まとめ
本研究では、RC柱の断面内部における応力移行現象とそれに付随する問題点、さらにそれの改善策として行ったPC柱に関する基礎的実験について述べたが、以下に結果を要約する。
(1).RC柱のひびわれ耐力や破壊形式は、コンクリートの時間依存ひずみに起因する断面内部の応力移行現象で大幅に相違する。したがって、RC柱に関しては、今後、応力移行を考慮した実験を行うべきである。
(2).ひびわれ耐力の面ではPC柱の方がRC柱より明らかに優れており、地震多発地帯や厳しい自然環境下に建設される柱部材には、PC柱の方が適している。
(3).コンクリート部材の断面内部における応力移行現象を正確に算定するためには、現行の土木学会コンクリート標準示方書に規定されているコンクリートの乾燥収縮ひずみの特性値を無筋コンクリートのそれに改めるべきである。
PDFファイル名 016-01-2099.pdf


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