種別 論文
主題 連続繊維緊張材を用いたプレテンションPC薄板の端部定着に関する研究
副題
筆頭著者 佐野史佳(九州工業大学大学院)
連名者1 出光隆(九州工業大学)
連名者2 山崎竹博(九州工業大学)
連名者3 ミョーキン(鹿児島大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 847
末尾ページ 852
年度 1994
要旨 1.はじめに
近年、多くのコンクリート構造物にプレストレストコンクリートが用られているが、最近それらのPC緊張材として、高強度かつ耐腐食性、非帯磁性に優れたFRP材を使用すべく多くの研究が実施されている。連続繊維緊張材をPC構造物に適用するには破壊形式が脆性的であること、長期安定性が不明であること、力学特性が鋼材ほど明確でないことなど解決しなければならない問題点も多く残っている。本研究は、CFRP、AFRP緊張材を用いてPC薄板を作製する場合の端部定着について検討したものである。まず、各緊張材の引張試験を行い、引張強度、弾性係数等を調べ、次にそれらを用いて、プレテンション方式によって厚さの異なるPC薄板を作製して、部材軸方向のひずみ分布から伝達長やプレストレス量を求める。さらに、縦ひびわれが生じないかぶり厚さ(以下"必要最小かぶり"と呼ぶ)についても検討した。縦ひびわれの発生は緊張材のポアソン効果に起因するが、ポアソン比を直接測定することは不可能である。よってコンクリートの部材端でひずみを測定することにより間接的に連続繊維緊張材のみかけのポアソン比(コンクリート中で発揮されるポアソン効果から得られるもの)を算定する方法も試みた。
4.まとめ
本研究で得られた結果をまとめると次の通りである。
(1)緊張材の形状がより線状の場合と組紐状の場合とでは端部定着機構が異なる。前者の場合、導入プレストレス力が大きくなると、伝達長が長くなることによって端部定着されるのに対し、後者の場合は、伝達長の増加と付着力の増大の両方で端部定看がなされる。そのため、部材端付近に付着応力が集中し、かぶりが薄い場合にはひびわれが入り易い傾向がみられる。
(2)必要最小かぶりは、CFRPより線ではφ5.0mmのとき1.25cm(2.5×φ)、φ8.0mのとき2.62cm(3.2×φ)、AFRP組紐ではφ5.2mmのとき1.79cm(3.4×φ)、φ7.3mmのとき3.79cm(5.2×φ)となった。したがって、薄いPC板用の緊張材には組紐状のものより、より線状のものの方が適しているようである。
(3)連続繊維緊張材のみかけのポアソン比を求める方法を提案し、概略値を得た。
PDFファイル名 016-01-2141.pdf


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