種別 論文
主題 高強度材料を用いたRCはりの曲げ挙動に関する研究
副題
筆頭著者 坪内幹定(名古屋工業大学大学院)
連名者1 上原匠(名古屋工業大学)
連名者2 梅原秀哲(名古屋工業大学)
連名者3 村山八洲雄(鹿島建設)
連名者4
連名者5
キーワード
16
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先頭ページ 883
末尾ページ 888
年度 1994
要旨 1.はじめに
近年、土木構造物の大型化に伴い、その使用材料であるコンクリートおよび鉄筋に対して高強度のものが要求されてきている。高強度材料を利用することによる利点としては、橋梁におけるスパンの長大化および部材断面の縮小化により、経済的な部材設計や景観的にも優れた構造物の建設が可能となることが挙げられる。しかし、逆に欠点として、部材断面の縮小化による構造物の安定性の問題や破壊が脆性的になることによる安全性の問題が挙げられるため、曲げ部材の終局耐力について算定方法自体を検討し直す必要性が生じてくる。その中で特に問題となるのが、現在、限界状態設計法において曲げ部材の終局耐力の算定に用いられているストレスブロックの、高強度コンクリートヘの適用性である。既往の実験では圧縮強度が800kgf/cm2程度までのコンクリートについては、一軸圧縮載荷時の応力下降域を含んだ完全な応力-ひずみ関係が報告されているが、ストレスブロックの適用性についてはほとんど報告されていない。
そこで本研究では、コンクリートの圧縮強度を500、700、900kgf/cm2とした円柱供試体の一軸圧縮試験から応力下降域を含んだ応力-ひずみ関係を測定し、そのモデル化を行った。さらに、コンクリートの圧縮強度や鉄筋の降伏強度を変化させたRCはりを用いて曲げ破壊実験を行うとともに、応力-ひずみモデルやストレスブロックを用いた数値解析との比較を行い、高強度コンクリートにおけるストレスブロックの適用性について検討した。
5.まとめ
本研究で得られた結果を要約すると、以下のようになる。
(1)コンクリートの応力-ひずみ関係は、高強度になるにしたがって割線弾性係数が大きくなり、最大応力に達するまで弾性的特性が認められ、逆に塑性的特性を示す領域が狭くなることが確認された。さらに最大応力に達した後、直ちに終局に至る傾向があることが確認された。
(2)RCはりの曲げ試験結果から、同一鉄筋比の場合、高強度コンクリートと高強度鉄筋の併用が有効であることが明らかとなった。
(3)本解析プログラムを用いることによって、RCはり部材の曲げ破壊モーメント、鉄筋ひずみを精度良く評価できることが明らかとなった。
(4)今回の実験の範囲では、コンクリートの圧縮強度が800kgf/cm2程度の範囲内であれば、応力-ひずみモデルやストレスブロックが多少異なっていても曲げ部材の終局耐力に及ぼす影響はほとんど無く、実用上はどのモデルを用いてもあまり問題にならないことが明らかとなった。
PDFファイル名 016-01-2147.pdf


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