種別 論文
主題 緩衝材を設置した実大PC覆工の衝撃応答性状に関する実験的研究
副題
筆頭著者 菅田紀之(室蘭工業大学)
連名者1 佐藤昌志(北海道開発局)
連名者2 西弘明(北海道開発局)
連名者3 岸徳光(室蘭工業大学)
連名者4
連名者5
キーワード
16
2
先頭ページ 949
末尾ページ 954
年度 1994
要旨 1.はじめに
山岳部および海岸部等における道路交通の安全確保のために、落石覆工が多数建設されている。この覆工を構造形式別の構成割合で比較すると、北海道開発局管内においてはRC構造が圧倒的に多く、全体の86.6%を占め、次にPC構造が9.8%、残りが鋼構造となっている。しかしながら、今後建設地の現場条件および工期短縮等の問題から、工事のプレハブ化が進んだ場合にはPC覆工も多く建設されてくるものと考えられる。一般に、PC覆工の設計は昭和58年度版落石対策便覧に従って衝撃荷重および荷重分散幅を決定し、これを単一桁に静的に載荷させて行っている。しかしながら、実際のPC覆工は構造を一体化させるために横締めが施された多主桁構造をしているため、単一桁とは異なる挙動を示すものと考えられる。これより、PC覆工を合理的に設計するためには、衝撃荷重載荷時のPC多主桁の動的挙動や荷重分担特性を明らかにすることが重要であるものと考えられる。
本論文では、PC覆工の合理的な設計を行うための基礎資料を得ることを目的として、単純支持されたPC多主桁上に敷砂緩衝材あるいは表層から敷砂材・RC版・EPS(発泡スチロール)材の三層より構成される三層緩衝構造を設置し5tfの重錘を自由落下させる衝撃荷重載荷実験を行い、PC多主桁の動的挙動について検討を行った。本研究では、弾性範囲内における桁の荷重分担性状や曲げモーメント分布等に関し、二つの緩衝材を用いた場合の結果を比較する形で検討している。
4.まとめ
本論文では、PC覆工の合理的な設計を行うための基礎的資料を得ることを目的とし、緩衝材として90cm厚の敷砂材あるいは三層緩衝構造を用いたPC多主桁の重錘落下衝撃実験を行った。本実験の範囲内で得られた結果を要約すると、
1)緩衝材設置部の構造物の剛性が重錘衝撃力へ与える影響は小さい。
2)敷砂を緩衝材とする場合、衝撃荷重は集中荷重的に作用し、三層緩衝構造を用いた場合には等分布荷重的に作用する。
3)横締めを行う場合、桁フランジの付け根部の断面設計は桁単体の設計手法をそのまま適用できない。
4)緩衝材として敷砂材を用いた場合には、横締め導入時の荷重載荷桁の荷重分担率は45%程度とすることかできる。横締め解放時は85%程度とかなり大きくなり、荷重分担性能が著しく低下する。
5)緩衝材として三層緩衝構造を用い対称変形となる荷重状態を対象とする場合には、横締め導入時の荷重載荷桁の荷重分担率は30%程度とすることができる。また、横締め解放時は35%程度となり荷重分担性能が若干低下する。
PDFファイル名 016-01-2158.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る