種別 論文
主題 AFRPロッドで補強した実大桁の耐衝撃挙動に関する実験的研究
副題
筆頭著者 三上浩(三井建設)
連名者1 佐藤昌志(北海道開発局)
連名者2 岸徳光(室蘭工業大学)
連名者3 田村富雄(三井建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1099
末尾ページ 1104
年度 1994
要旨 1.はじめに
最近、各種の連続繊維補強材(FRPロッド)をコンクリートの補強材に適用するための研究が盛んに行われている。また、一部では実構造物にも適用され始めている。FRPロッドの特徴として軽量、高引張強度、耐蝕性に優れていることなどがあげられるが、比較的高価なため非帯磁性などの特徴を合わせて付加価値の高い構造物に適用されていくものと考えられる。
著者らはFRPロッドか高引張強度かつ高い弾性伸び率を有し、鋼材の有する降伏現象がないことに着目して、耐衝撃用途のコンクリート構造物への適用を想定して室内実験を中心として研究を行ってきた。その結果、RC梁の耐衝撃挙動には補強筋の降伏現象の有無や弾性伸び率の大小、補強筋の(ヤング係数に断面積を乗じた)剛性、単筋または複筋配置などの配筋方法、補強筋比などが影響を与えることが分かった。一方、PC梁の耐衝撃挙動には緊張材の剛性、配置位置が影響を与え、特に緊張材の配置位置の影響が大きいことが分かった。
しかし、室内実験では試験体の寸法に制約があり、作用衝撃荷重も小さなものに限定されるため、より現実的な試験体寸法および荷重のもとでの衝撃実験が重要となる。そこで、本研究では落石防護用に設計されたPC覆工の主桁と同一の断面寸法を有するコンクリート桁を4体製作し、桁中央に重量5tfの重錘を自由落下させて衝撃挙動を検討した。本研究では特に緊張材の材質および特性(PC鋼棒あるいはAFRPロッド)、AFRPロッドを補強材に用いた際のプレストレスの有無、衝撃力の載荷方法(単調増加繰返し衝撃載荷あるいは単一衝撃荷重載荷)が実大コンクリート桁の耐衝撃挙動に与える影響に着目して検討を行った。
4.まとめ
PC覆工の主桁と同一の断面寸法を有する大型のコンクリート桁を4体製作し、桁中央に5tfの重錘を最大10mの高さから落下させて衝撃挙動を検討した。本実験の範囲内で得られた結果を要約すると、
(1)PC桁ではRC桁に比べて重錘衝撃力波形の立ち上がりが急で、主波動の継続時間も短い。また、緊張材の材質が重錘衝撃力波形の性状に与える影響は顕著ではないが、載荷方法の影響は顕著である。
(2)AFRPロッドで補強し、繰返し載荷を行った桁の重錘衝撃力は、ほぼ落下高さに比例して増大し、衝撃力は位置エネルギーの変化に対応している。繰返し載荷を行った桁の重錘衝撃力は単一載荷した桁と同程度であり、単一載荷したPC桁の中では緊張材の剛性の高い桁が重錘衝撃力が大きい。
(3)AFRPロッドを補強筋に用いた桁の繰返し載荷における上、下端鉄筋の応答歪性状および曲げモーメントの分布傾向は重錘の落下高さによって大きく変化する。これは桁の状態か繰返し載荷により、ほぼ弾性状態からひびわれの顕著な発生およびひびわれの進展する状態へ推移したためと考えられる。
(4)PC桁や緊張材の剛性の高い桁ではRC桁に比べて斜めひびわれが顕著であり、その角度は緩やかでより水平に近い。一方、RC桁では曲げせん断型のひびわれが明瞭に発生し、上部圧縮縁が損傷を受けやすい。
PDFファイル名 016-01-2183.pdf


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