種別 報告
主題 建物外壁に発生したひび割れの実態調査
副題
筆頭著者 地濃茂雄(新潟工科大学設立準備財団)
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キーワード
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先頭ページ 989
末尾ページ 994
年度 1994
要旨 1.まえがき
 ひび割れは、モルタル・コンクリートにとって、半ば宿命的なものであり、ほとんどの建物外壁には様々なひび割れが発生している。そしてひび割れによっては、直接的にも間接的にも居住性能や構造耐力等に影響を与える。
 ひるがえって、コンクリート技術は専門分化が進み、ひび割れ対策は事前および事後とも、それぞれの構造・材料・施工法等の特徴に応じ、きめ細かく確実な成果が求められるようになってきた。これに対処するには、ひび割れは「古くて、新しい問題」として位置づけるとともに、建築外壁のひび割れに関する基礎資料の蓄積が不可欠であると考える。
 そこで本研究では、瀬戸内地域の1町村内における建物外壁のひび割れ発生の実態について調査し、ひび割れ対策技術の基礎資料を提示したものである。
4.むすび
 瀬戸内地方の1町村内に点在する小規模建物のモルタル・コンクリート外壁のひび割れについて実態調査を行った結果、次のようなことが明らかになった。
(1)部位別のひび割れ発生数では、開口部まわりと、スパン中央部に発生したひび割れが極めて多い。乾操収縮に起因するひび割れと考察される。
(2)開口隅部での方位別ひび割れの発生数では、日照を強く受けている西、南壁面が多い。
(3)上記(1)と(2)のひび割れ発生数は、仕上げモルタルの方がコンクリートに比べ多い。
(4)ひび割れ幅のほとんどが0.5mm以下で、コンクリートのひび割れ幅の最大値の分布は仕上げモルタルの場合に比べ、ひび割れ幅の小さい方に位置している。
(5)各ひび割れ幅の最大値に発生本数を乗じて、その値を総本数で徐したひび割れ幅の平均値は、コンクリートでは0.15mm程度、仕上げモルタルでは0.25mm程度である。
(6)ひび割れ幅の最大値と平均的なひび割れ幅との間に相関性が認められることから、ひび割れ幅の最大値を測定することで平均的なひび割れ幅を推定することが可能である。
(7)開口部まわりのひび割れ幅の形状は、開口部の位置から遠のくほどひび割れ幅は小さくなっていくものと、ほぼ一定の形状を呈するものとが全体のほとんどを占めている。
(8)建物の経過年数とひび割れ幅の最大値との間に傾向がみられ、経年によるひび割の増大傾向は、概して経過年数10年以降顕著である。
PDFファイル名 016-02-1164.pdf


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