種別 報告
主題 アルカリ骨材反応によるRC床版の損傷
副題
筆頭著者 杉江功(阪神高速道路公団)
連名者1 児島孝之(立命館大学)
連名者2 杉山功(阪神高速道路公団)
連名者3 村山康雄(フジエンジニアリング)
連名者4
連名者5
キーワード
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末尾ページ 1116
年度 1994
要旨 1.はじめに
 アルカリ骨材反応(以下、「AAR」という。)による道路構造物のひびわれ損傷が問題となり、既に20年以上が過ぎている。しかし、これらは比較的部材厚の大きい橋脚、擁壁、主桁などが対象であり、部相厚の小さいRC床版や高欄に関する報告は極めて少ない。一方、阪神高速道路のRC床版は、2〜3年に1度点検されているが、昭和58年の定期点検において、通常の直角に交わる2方向のひびわれと様相の異なるものが発見された。これらは建設後、数年経過した後のひびわれで、120°に交わるものが多数見られ、この原因は活荷重や乾燥収縮ではなく、AARではないかと考えられた。しかし、橋脚に生じたひびわれに比べるとその幅は小さく、コア採取による促進膨張および化学法試験でも、明確にAARと特定はできなかった。そこで、これらの損傷がAARによるものか否か、AARとすれば橋脚などとどのように発生状況や今後の進行状況が異なるかなどを把握するため、追跡調査を行うこととした。
4.まとめ
 今回の調査結果から、AARによるRC床版の損傷は、配筋および拘束条件の違いから、橋脚などの事例とはかなり状況が異なり、しかも耐荷力にはあまり影響しないことがわかった。しかし、ひびわれ密度の増大や鉄筋の腐食などを防ぎ、今後の耐久性の低下を止めるために補修を行うこととした。一般に、AARにおける反応生成物は吸湿性があり、水を吸収して膨張する。このため、現在AARに対する補修は防水対策に主眼がおかれている。そこで、今回の補修では、AAR損傷の抑制および鉄筋の防錆を目的として、床版上面には防水層を設置し、床版下面からは鋼板接着によりひびわれに樹脂注入を行うこととした。また、今後の損傷の進展や耐荷力・耐久性の低下については未知であり、今後も定期的な追跡調査を継続させ、AAR床版の損傷状態の推移を見守ることが必要と考えている。
PDFファイル名 016-02-1185.pdf


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