種別 報告
主題 鉄筋コンクリート造梁主筋のプレート定着に関する実験的研究
副題
筆頭著者 辻田耕一(前田建設工業)
連名者1 山本憲一郎(前田建設工業)
連名者2 川崎清彦(前田建設工業)
連名者3 成瀬忠(前田建設工業)
連名者4
連名者5
キーワード
16
2
先頭ページ 201
末尾ページ 206
年度 1994
要旨 1.はじめに
高層RC建物では一般的にラーメン構造にする場合が多い。特に、集合住宅では柱梁断面寸法が限られており、鉄筋は高強度太径で高密度配筋となる。側柱、隅柱での柱梁接合部への梁主筋定着筋は非常に錯綜し、従来のL型定着では鉄筋が納まらず配筋が困難となる。また、鉄筋の曲げ加工も太径で高強度のため容易ではない。現在ではネジフシ鉄筋の普及にともない、梁主筋の機械式定着法としてプレート定着の採用が検討されている。本プレート定着法ではプレート両側のナットを締付けることによって定着プレートを鉄筋へ固定している。山口らによって、普通強度(鉄筋:SD345、コンクリート強度Fc=240kgf/cm2)材料を用い、中低層RC造建物を対象としたアンカープレート定着部の力学性状が明らかにされた。また、ネジフシ鉄筋を用いた場合のプレート定着設計式が提案され、プレート定着抵抗機構は[鉄筋の付着力]+[定着板の支圧力(分担力)]と言われている。しかし、定着板の設計は未だ確立されておらず、プレストレストコンクリート構造における設計法に頼っているのが現状である。この設計法では、定着板の形状および厚さが大きくなる傾向にある。
従って、本研究では高層建物を対象とした高強度鉄筋および高強度コンクリートを使用したプレート定着法の合理的な設計法の確立を目指すために、プレート定着抵抗機構の中で主要な鉄筋の付着強度、プレート定着部での応力分担率およびコンクリートの支圧強度(支圧応力度比)について実験的に検討した。
5.まとめ
プレート定着の基本性状を把握する実験の結果、次のような結論が得られた。
(1)鉄筋の付着応力はプレート定着部に分担力が生じるまで徐々に増加する。各試験体とも載荷端鉄筋降伏時における平均付着応力度は建築学会式の短期許容付着強度を上回っている。また、この時点では定着プレートにほとんど変位が生じない。付着応力度は鉄筋径、コンクリート強度によって若干傾向が違うが定着長による違いはみられない。
(2)載荷端鉄筋降伏時におけるプレート定着部での応力分担率(プレート分担定着力/載荷端鉄筋引張力)について、定着長15dの試験体は0.05〜0.50、定着長10dの試験体は0.51〜0.64である。定着長が長くなり高強度コンクリートになるはど応力分担率は小さな値になっている。
(3)プレート定着部における支圧応力度比(プレート分担応力/コンクリート強度)の最大値は実験結果より5.16〜5.82まで確認できた。ただし、実験ではプレート定着部で支圧破壊していないので、実際はこの値より上回るものと考えられる。
以上、プレート定着の基本性状を明らかにしたが、梁主筋が複数に配筋された際の群効果、コンクリートのかぶり厚さ、柱主筋、せん断補強筋の影響、柱梁接合部内の複雑な応力状態を考慮したプレート定着性能について今後検討する。
PDFファイル名 016-02-2032.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る