種別 論文
主題 セメント硬化体の力学的性質に及ぼす含水率の影響に関する一考案
副題
筆頭著者 岡島達雄(名古屋工業大学)
連名者1 石川時雄(名古屋工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 101
末尾ページ 104
年度 1980
要旨 1 序
 乾いている時は、堅くて強いものでも、濡れると柔かく弱くなることは、日常生活の中で木や紙などで体験することである。(図1、2)コンクリートについても同じような現象が見られる。全く同一材質のコンクリートでも、試験時に乾燥しているほうが湿っているものより強い。このことは、水中養生中のコンクリートの強度が、水和反応が進むことによって、増大することと混同されがちである。実際のコンクリート構造物は各部位で含水状態が異なり、特にマッシブなコンクリートでは、その差異も大きい。コンクリート構造物の強度管理をより厳密に行うため、また、より経済的な構造物の設計をするためにも、上記の2点を別々に把握する必要がある。ところが、現状は小さな供試体を使ったセメントベースの研究や、養生条件による影響を含んだコンクリートの研究が多く、この現象の機構についても十分明らかにされていない。そこで本稿は従来の研究から、水分がセメント硬化体強度に及ぼす影響の現象とその機構を総括し、今後の研究の指針を得ようとするものである。
4 結
 水分がセメント硬化体の力学的性質に及ぼす影響の特徴的現象は次のようである。I乾燥状態の強度は飽水状態の強度よりも、20〜100%増加する。II水分による引張強度(曲げ強度)の低下率は、圧縮のそれにほぼ等しい。IIIわずかな含水率でも、強度が大きく減少する。IVヤング係数と含水率との関係は、研究者によって様々であり、未だに不明確である。しかし、筆者らの実験によれば、ヤング係数はほぼ一定であった。ヤング係数が含水率による影響を受けないと仮定するならば、上記の現象を説明しうる機構を表面エネルギーの低下に求めることが適当である。微視的に、表面エネルギーと強度の関係、および表面エネルギーとひずみエネルギー解放率の関係を明らかにすることが、残された大きな課題である。
PDFファイル名 002-01-0026.pdf


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