種別 論文
主題 鉄筋コンクリート床版の疲労試験
副題
筆頭著者 赤井公昭(日本道路公団)
連名者1 藤田信一(日本道路公団)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 309
末尾ページ 312
年度 1980
要旨 1 まえがき
 橋梁床版の破損は、道路管理上の大きな問題となっており、原因の究明、有効な補修法の確立に多大な努力が払われている。現在各地で床版の改良補修を実施しているが、必ずしも成功しておらず再補修率もかなり高い。効果的な補修法を確立するために破損の原因、機構を解明することが強く望まれている。昨年度までの実験において中央点のみの繰返載荷あるいは、橋軸方向に対称な2点の同時載荷による移動繰返載荷では実橋に起るような破損は起こらないことが認められた。今年度は前年度迄のように2点同時載荷を行わなくてよいように載荷移動が載荷点単独で行えるように改善を行った。試験の結果、移動繰返載荷により床版の損傷が進行すること、ひびわれのずれが実測され、すりへり作用による床版損傷の可能性があることなどが明らかとなった。
4 まとめ
 (1)ひびわれは非常に小さい荷重でも生じ通常のコンクリート床版においてはひびわれを抑止することは不可能だと考えられる。ひびわれは載荷荷重による応力のみにより生じるのでなく、初期ひびわれは乾燥収縮、ブリージング、材料欠陥などにより当初から内的に包含されていた微小ひびわれ等の欠陥が荷重等の外力により拡大助長され生じるので、ひびわれ発生に要する応力は小さいと考えられる。(2)ひびわれにはずれが生じていた。ずれの方向、大きさの分布はねじりモーメントの分布からの予想と一致していた。従ってこのずれはねじりモーメントの作用により生じるものと考えられる。このずれの作用はひびわれ面をこすり合せることにより、ひびわれ面のコンクリートをすりへらせて、ねじり剛性の低下を起し、増々床版を劣化させていくものであり、床版の破損原因の一つであると考えられる。(3)ひびわれ発生後においての中央載荷時のひずみは、薄板理論による計算値よりかなり小さかった。これはひびわれの入り方により、床版の挙動が支配され主筋方向には有効幅が大きく、配力筋方向には曲げが出ないように動く結果になったためである。(4)ひずみ、たわみ共に移動繰返し載荷に伴い増大し前年度1)までのように停留化する傾向は見られなかった。今回の載荷方式は、前年度までとは異なり、一箇所づつ載荷しながら移動する方式のため、中央部にもせん断繰返しがかかるようになっている。前年度までの実験では、たわみ、ひずみ共にある点で停留したのに反して、今年度停留しなかったのはより実際に近い今回の載荷方法の採用によるものであり、繰返載荷のもとで徐々に床版が損傷していく傾向が明らかになった。(5)初期載荷時のたわみは、理論値と比較的一致した。ひびわれ進行後は幅の広い梁として折れ曲る傾向が見られた。
PDFファイル名 002-01-0078.pdf


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