種別 論文
主題 含水量の異なるコンクリートの圧縮疲労性状について
副題
筆頭著者 金子林爾(名城大学)
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連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 321
末尾ページ 324
年度 1980
要旨 1.はじめに
 コンクリートの圧縮疲労寿命の試験に関しては、コンクリート自体が内部に多くの欠陥を有して破壊機構の複雑さと作製過程に生じる不均一性のために精度のよい供試体を作ることは困難である。しかし、静的圧縮強度の平均値を基準として所定の応力を決定する疲労試験では、まず静的圧縮強度に影響を及ぼす事項について考える必要がある。これには上記のような多くの因子が関連するが、その中でもコンクリートの含有水分の影響が大きな要因として上げることができるので、ここに乾燥状態と湿潤状態とのコンクリートについて検討する。この場合、同一バッチの供試体でも両者では大きく強度の変動を示し、乾燥状態でも湿潤から乾燥度合の経過によつて供試体はそれぞれに含水量の変化を生ずる。一方、疲労試験では、静的圧縮強度を基準として上・下限に一定応力を加えた疲労寿命は高応力大振幅では短時間破壊をするが、低応力小振幅になるほど長時間破壊をするか又は所定の寿命まで生存する時間依存型破壊のため、供試体の保管方法によつては相当に乾燥度合が異なる。従つて、この疲労寿命がコンクリートの含有水分によつてどのような影響を与えるかについて、乾燥状態と湿潤状態との供試体で水分発散度合、材令およびスランプなどの影響を検討するものである。尚、本実験は工業技術院委託、構造材料の安全性に関する標準化のための調査研究による繰返し疲労の一還として行なわれたことを記す。
4.まとめ
 今回の実験結果から、コンクリートの圧縮疲労に及ぼす影響は、乾燥状態と湿潤状態で、次のことが明らかになった。1.疲労試験は時間依存による長時間試験のために湿潤状態を保持する方法としてナイロン・ポリエチレン3層チューブのシール材を用いた結果、強度増進をほぼ停止させることができた。2.圧縮疲労寿命は含水量に大きく影響を及ぼすがスランプには影響しない。また、疲労強度は湿潤状態ほど小さく、乾燥状態になればなるほど大きいことがわかった。
PDFファイル名 002-01-0081.pdf


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