種別 論文
主題 コンクリートの乾燥収縮と収縮拘束に関する研究
副題
筆頭著者 牧角龍憲(九州大学)
連名者1 徳光善冶(九州大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 21
末尾ページ 24
年度 1981
要旨 1.まえがき
 コンクリートの乾燥収縮によるひびわれは、コンクリートの避けがたい宿命の一つである。この収縮ひびわれを制御する一方法として、コンクサート中に埋設した鉄筋による制御方法があるが、その方法に関して過去多くの研究報告がなされているものの未だ明確な結論は得られていない。コンクリート中に埋設した鉄筋は付着によりコンクリートの乾燥収縮を拘束し、適切を鉄筋量の場合は乾燥収縮量を低減させる役目を果たすが、鉄筋量が過渡に多くなると逆に収縮ひびわれを生じさせる原因となる。この関連について、向井1)、大島2)らは、拘束されたひずみ量とクリープも含めたコンクリートの伸び能力との関係で検討を行ない、2〜4%の鉄筋比を限界とし、柿崎3)は拘束により生じた引張応力度と引張強度や鉄筋付着との関係から3〜5%の鉄筋比を示している。また、森田4)は外部で完全拘束された場合、鉄筋は関係なく収縮応力と引張強度の関係からひび割れを論じている。このように、鉄筋による内部拘束下のひびわれ発生条件については種々報告があるが、制御を目的とする時の鉄筋とコンクリートの収縮の関係について論じたものは数少ない。そこで本研究は、鉄筋こよる収縮ひびわれ制御を目的とする研究の基礎として、収縮を拘束する鉄筋に生じる応力とその分布を測定し、内部拘束下の収縮性状およびひびわれ発生について検討したもので、材令とともに付着拘束状態が変化すること、初期材令において、鉄筋に生じる応力は鉄筋比によらずほぼ同程度あることなどの結果を得た。ここにその報告をする。
4.結論
 本実験で得られた結果をまとめると次のようになる。(1)鉄筋によりコンクリートの乾燥収縮を内部拘束する場合、鉄筋付着性状が大きく影響する。(2)付着性状は、材令とともに変化し、鉄筋比が小さい場合は、40日前後から一定の応力状態を示し出す。また、付着拘束の影響範囲も材令とともに変化すると考えられ、コンクリートに生じる引張応力もこの範囲で算定すればより定量的なひびわれ発生条件を導けると考えられる。影響範囲については今後検討する予定である。(3)鉄筋比が異なっても、初期に鉄筋に生じる収縮応力度はほぼ同一であり、乾燥1日目から確実な付着拘束がなされると考えられる。最後に、本研究は、昭和55年度科学研究費補助を受けて行った研究の一部である。
PDFファイル名 003-01-0006.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る