種別 論文
主題 微小モルタル供試体の強度に及ぼす炭酸化の影響
副題
筆頭著者 鮎田耕一(北見工業大学)
連名者1 林正道(北見工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 105
末尾ページ 108
年度 1981
要旨 1.まえがき
 寒冷地のコンクリート構造物が低温の影響を受け劣化する場合、一般には表面のスケーリングから被害が進行する。したがって、気象作用に対するコンクリートの耐久性を考える場合、部材全体の耐久性とともに表面部分の耐久性(換言すれば強度といってよいかと思われる)も重要になる。通常のコンクリート構造物は養生終了後は表面から乾燥し、その結果コンクリート中の水分が失われセメントの水和が不十分になる。乾燥による強度性状の変化を求める場合、コンクリートを対象にすればある寸法の粗骨材を含むので、その骨材の大きさに応じた供試体が必要であり、供試体が大きいはど乾燥の影響が内部に及ぶまでに時間がかかり、その間こ水和がある程度進行する。したがって、部材の表面部分の強度を考える場合には乾燥の影響がきびしくあらわれるよう小さな供試体が適当であり、また、供試体の大きさを変えることにより、部材表面から内部への強度分布を求めることもできる。このような考えから前報1)では微小モルタル供試体の強度に及ぼす乾燥の影響について明らかにした。その結果、コンクリート部材の表面部分の強度は、温度・湿度の他に空気中の炭酸ガスの作用、いわゆる炭酸化の影響を大きく受けるのではないかと想像された。そこで、本研究では乾燥状態にある微小モルタル供試体の強度に及ぼす炭酸化の影響を明らかにするとともに、前報では十分に明らかにできなかった乾燥と含水率の閑係などについても実験を行った。
4.まとめ
 コンクリート部材の表面部分の強度性状に及ぼす乾操とそれに伴う炭酸化の影響を明らかにするために微少モルタル供試体を用いて実験を行った。この実験の範囲から次のことがいえる。(1)乾燥状態の微小モルタル供試体の強度は、水中養生をした場合に比べて著しく小さい。また、強制乾燥(温度30℃、湿度25%)した場合、微少モルタル供試体の寸法が小さいほどセメントの結合水量が少なくなる。このことは水分の蒸発しやすいコンクリート部材の表面部分ほど水和が停滞することを示している。(2)湿度50%で乾燥した場合、水中養生の場合に比べて強度は小さいものの供試体寸法が小さいほど強度が大きくなる。この原因は、湿度50%で炭酸ガスをほとんど含まない空気中における実験の結果から炭酸化によるものであることが確認された。このことは乾燥状態によっては、部材の表面部分の強度が炭酸化によりやや大きくなることを示している。
PDFファイル名 003-01-0027.pdf


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