種別 論文
主題 SFRC合成鋼床版の研究
副題
筆頭著者 寺田博昌(横河橋梁製作所研究所)
連名者1 小山清一(住友金属工業中央研究所)
連名者2 松本好生(横河橋梁製作所研究所)
連名者3 有原隆雄(横河橋梁製作所研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 333
末尾ページ 336
年度 1981
要旨 1.まえがき
 通常、鋼床版上面には、アスファルト系の舗装が施工される。アスファルトは舗装材として、比較的廉価であり、施工性にもすぐれていて、一般道賂におけるように、均一な路盤・路床上に施工される場合は問題はない。しかし、鋼床版の場合、その各部位により面外剛性が異なるし、撓み易いこと、鋼板とアスファルトの附着性が良いとは言えないこと、などの理由により、ひび割れ・縦流れ・わだち掘れ・剥離といつた問題が生じやすい。また、寒冷地においては、冬期にスパイクタイヤやタイヤチェーンによるアスファルトの摩耗も大さな問題である。こういつた問題のあるアスファルトの代わりに、SFRCを鋼床版の舗装に適用することを考えた。この構造とすることにより、以下のような利点を挙げることがてきる。(1)舗装材としてSFRCは、すぐれた特性を有しており、舗装の耐久性向上が期待できる。(2)ずれ止めを介してSFRCと鋼床版を一体とすれば、合成構造となり、銅床版断面の減少も可能となる。(3)合成作用により、鋼床版の面外剛性が向上し、車輛走行性の改善が計られる。その反面、実構造への適用に際しては、経済性の面から、極力SFRCが薄いこと、輪荷重直接載荷により作用する引張応力に鋼床版の一部として耐えられること、実施工時にポンプ圧送ができるワーカビリティーを有するSFRCであることが条件となる。本報告では、これらの条件を考慮の上、実橋に適用すべく行なつてきている一連の実験のうち、合成挙動についての実験の一部と、乾燥収縮の換討について述べる。
4.むすび
 SFRCと鋼床版を一体化したSFRC合成鋼床版に関する実験より、次のことが明らかになつたと考える。(1)合成鋼床版に輪荷重を載荷した場合、ほぼ設計輪荷重までは、合成挙動を示す。(2)リブ間の板の剛性は、SFRCの存在により、約30倍増加する。この場合、デッキプレート厚が12mmでも10mmでも有意差はない。(3)SFRCに引張応力が作用し、クラックが発生しても、クラックの進行は非常に僅かであり、使用上問題ないと言える。(4)合成作用を得るためのずれ止めとしては、スタッドが望ましい。折曲げ筋では、浮き上がりが生じる。(5)乾燥収縮ひびわれを防止するため、膨張材を用いることを考えた。膨張材を単位量で50kg/m3(混入率=14%)混入することにより、乾燥収縮ひずみは、無混入の場合と比べ、約1/8になる。(6)この場合、SFRCに作用する乾燥収縮応力は、20〜25Kg/cm2の引張応力である。
PDFファイル名 003-01-0084.pdf


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