種別 論文
主題 モデル構造物の非破壊試験
副題
筆頭著者 野崎喜嗣(武蔵工業大学工学部)
連名者1 十代田知三(芝浦工業大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 25
末尾ページ 28
年度 1982
要旨 1.はじめに
 構造体中コンクリートの、強度を主とした品質推定の為の非破壊試験方法の検討について、既に多くの研究実績が見られるが、実際の構造物に適用する場合に遭遇する諸問題については必ずしも明確でない場合が少なくない。こういった背景から、昨年度、実施構造物モデルとしての壁状試験体を作成し、その品質特性の調査・分析及び非破壊試験に関する実験的研究を行った。1、2、3その中で、主たる非破壊特性値として対象とした、コンクリート中の超音波伝搬速度は、材料条件、調合条件の影響が見られたが、シュミット法は超音波法に比してややバラツキが大きかった。本報告は同様の主旨による第IIシリーズの実験結果から、特に造殻混練コンクリート等をも含めた新しい材料・工法によって打設・作成したモデル構造物に対して、非破壊試験を主とした品質評価の試み及び強度推定の精度についての検討を行なったものである。
なお、本報告は昭和56年度文部省科学研究費助成による「コンクリート構造物の品質評価のための基礎研究」の実験の1部によるものであり、ミクロな視点からの品質評価及び全体的な研究の成果は別に報告したい。
4.まとめ
(1)コンクリートモデル壁体の非破壊試験による品質評価及びその精度について検討した。本実験の範囲ではその有用性は余り見られず、この方法の1つの限界かとも思われる。種類別に分析すると相関係数は増大するが、その傾向は必ずしも一様ではなく、そのために全データの分析に於てはバラツキが大きくなったものと考えられる。シュミット法は昨年度の分析結果と同程度の精度であったが、超音波法、引抜法は大さなバラツキを示した。超音波速度のバラツキは骨材寸法に対して測定長が十分でなかったことに起因するかとも思われるが、さらに検討が必要である。種類間の差は、流動化コンクリート、造殻混練コンクリート等の品質評価を行なう上での1つの手掛りと考え、更に検討を進めている。(2)壁体モデル中のコンクリートの品質は、その打ち込みの上下方向に明らかな影響を受ける。その上下差は各種強度(圧縮、引張、鉄筋の引抜)、空隙率(容積吸水率)で大きく、超音波伝搬速度はその差が小さい。又、断面に表われた粗骨材面積率では殆んど差が見られなかった。それらの傾向にはコンクリートの種類により、若干の差が見られるが、より詳しい品質評価の為に、もう少しミクロな視点からのアプローチを含めて、総合的に行なう必要がある。
PDFファイル名 004-01-0007.pdf


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