種別 論文
主題 モルタル及びコンクリートの配合割合がコンシステンシーに及ぼす影響
副題
筆頭著者 沼田晉一(新日本製鐵スラグ事業開発部)
連名者1 徳光善治(九州大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 113
末尾ページ 116
年度 1982
要旨 1.まえがき
 コンクリートは骨材とセメント・水とから構成される複合材料であり、その構成割合によって性質が変化する。現行の配合設計方法は、まず強度、耐久性などから水セメント比(ペーストのセメント濃度)を決定し、次いで使用する骨材の構成に応じて骨材の空隙空間を埋めかつコンクリートの作業性から最小限必要とみられるペースト量つまり単位水量を定めることと、最適な粒子構成、即ち、例えば再骨材率を決定することが併行して行われる。しかし、本来コンクリート構成材の望ましい粒子構成には、セメント粒子の影響が大きいので(例、富配合・貧配合)、ペーストマトリックスの濃度・量の決定と骨材の粒子構成の決定には相互関係があって別々に決定できるものでない。最近、砕砂・水砕砂など多種多様の細骨材が使用されるようになり、コンクリートのワーカビリチーに影響を及ぼす再骨材の要因が複雑となり、従来からの経験に類り、例えば粗粒率だけを考慮することによって単位水量や細骨材率の概算値が決定できない事情にある。コンクリートの配合設計に当って、コンクリートをペーストマトリックスと骨材からなると言う考え方のほかに、モルタルマトリックスと粗骨材からなるという考え方、例えば単位粗骨材容積(b/b0)設計方法がある。今、粗骨材の実績率をGcとすると、w+c+s+g+A=1から次の関係が導かれる。b/b0=(1−s/a)〔1−A−w(1+c/w)〕/Gc・・・・(1)
w=1−b/b0・Gc−A/(1−b/b0・Gc)/1+c/w+s/w・・・・(2)
コンクリートのコンシステンシーは主として水量の多少によって決まることから、式(2)はコンシステンシーの式とも言える。即ちb/bo設計方法(b/b0法則)を認めると式(2)の分子・分母が示すように、コンシステンシーKは粗骨材特性とモルタル特性に分けてまず考えることができ、両者の相互作用は2次的とみられる。従って細骨材の特性を考慮してコンクリートのコンシステンシーを論ずるときは、そのモルタル成分のレオロジー挙動を調べることが大切となる。なお、ビンガム流動体のペースト中に骨材粒子が懸濁分散したとみなして導かれたPowersのレオロジー方程式、K=K0exp k(Vs/Vw)=K0exp k(c/w+s/w)・exp k(g/w)は、式(2)に粘ダイラント抵抗の混合物としての解釈を与えている一例と言えよう。以下、細骨材の粒子性状を考慮したコンクリートの最適配合割合について、実験の結果にもとづき考察する。
4.むすび
 粗骨材の粒子性状を導入した配合設計にはb/b0方法が開発されているが、細骨材については天然砂についての経験則しかない。細骨材の粒子性状を考慮した混合物のレオロジー挙動はs/wがc/wと共に重要である。とり得るs/wの値は、細骨材に応じて実用範囲のめc/wに対しほぼ一定値をとるものであるが、具体的に配合設計に導入するには、多くの試験により経験を積む必要がある。砕砂、水砕砂等はs/aを大きくすると単位水量が極端に多くなるのでs/aの選定は慎重でなければならない。具体的にs/w設計法が整備されていない現在、固有粗粒率一定の半経験則を導入すれば、とり敢えず大きな過誤もなく配合設計が可能である。
PDFファイル名 004-01-0029.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る