種別 論文
主題 鋼繊維補強膨張コンクリートの靱性に関する研究
副題
筆頭著者 戸川一夫(和歌山工業高等専門学校)
連名者1 中本純次(和歌山工業高等専門学校)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 137
末尾ページ 140
年度 1982
要旨 1.まえがき
 鋼繊維補強コンクリートは普通コンクリートとくらべて、引張強度、曲げ強度あるいは靱性等が著しく増大することは周知のことである。膨張コンクリートは普通コンクリートとくらべて乾燥収縮が小さく、クリープが大きく、膨張を拘束するとケミカルプレストレスが導入できて、そのため部材のひびわれ耐力が増大することが明らかにされている。本研究は上述した両コンクリートのそれぞれの長所に注目して、それらの相乗効果を期待して、鋼繊維と膨張材を混入したコンクリート(以下鋼繊維補強膨張コンクリートという)の力学的特性のうち、靱性に関して基礎的資料を得るとともに、靭性の改善に最適な鋼繊維混入量および膨張材量について究明しようとするものである。靱性の指標としては最大耐力点以前については限界J積分Jc1)、最大耐力点以降については表面エネルギー2)、さらには供試体全体としてのもろさやねばりに関してはToughness Index3)あるいはModulus of Toughness(MOT)4)を選んだ。
4.まとめ
 本研究は鋼繊維補強膨張コンクリートの靱性に関して実験的に検討したものである。本実験から、鋼繊維補強コンクリートに膨張材を混入することによつて靱性はさらに増大することが明らかになつた。以下に本実験結果を要約して結論とする。1)最大耐力点以前の靱性Jc値は鋼繊維量の増加とともに増大する。また膨張材は鋼繊維補強コンクリートの靱性の増大に効果があり、靱性の増大に最適な単位膨張材量は50kgf/m3程度である。鋼繊維2%、膨張材50kg/m2混入したコンクリートの靭性は普通コンクリートの25倍であり、また鋼繊維2%混入コンクリートの約2倍である。2)最大耐力点以降の靱性(MOT値および表面エネルギーγは鋼繊維量の増加とともに増大する。また膨張材は鋼繊維補強コンクリートの靭性の増大に効果があり、靭性の増大に最適な単位膨張材量は30kg/m3程度である。鋼繊維2%、膨張材30kg/m3混入コンクリートのMOT値および表面エネルギーγは普通コンクリートのそれぞれ203倍および72倍であり、また鋼繊維2%混入コンクリートの1.1倍および1.4倍である。3)膨張材が鋼繊維補強コンクリートの靱性を増大させる効果は最大耐力点以前の方が以降より大きい。また、最大耐力点以前と以降では鋼繊維補強コンクリートの靭性の増大に最適な膨張材量は異なる。
PDFファイル名 004-01-0035.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る