種別 論文
主題 極く初期コンクリートの強度・変形性状
副題
筆頭著者 岡本寛昭(舞鶴工業高等専門学校)
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キーワード
4
先頭ページ 197
末尾ページ 200
年度 1982
要旨 1.まえがき
 スライディングフォーム工法は、現在、サイロ、タワー、ハイピア等の建設工法として、採用実績が多く、また、将来、打継ぎ目ができない特徴を活かして、海洋構造物への適用も考えられる。本工法は、型枠内にコンクリートを逐次打設しながら、その型枠を滑動させて、早期脱型を行い、連続的に構造物を施工するものであるが、その場合、型枠の滑動速度は、逐次打設されたコンクリートの硬化状態によって決定される。滑動速度が速いと、脱型した部分のコンクリートの硬化が不十分で、自重に耐えられず、崩壊する危険があり、逆に、滑動速度が遅いと、硬化が進行し、強度面では十分であっても、型枠とコンクリートとの付着力が増大して、コンクリートのはだ面が破壊されたり、下方のコンクリートから切れたりする恐れがある。また、脱型直後のコンクリートの変形は、構造物の出来上がり寸法の精度を左右し、重要な特性であり、許容差の範囲内で、十分小さくすることが望ましいといえる。以上のとおり、スライディングフォーム工法においては、打設直後から、打設数時間後までの、極く初期コンクリートの強度および変形は、その施工性を支配する極めて重要な性質であるが、現在までに、充分な解明が得られていないと考えられる。このような観点から、本研究は、前報1)と引き続き、スライディングフォーム工法の施工の合理化をはかるため、極く初期コンクリートの強度・変形性状について、(1)強度〜材令関係の推定式の提案およびその適合性、(2)コンクリートの配合(水セメント比、単位水量)、養生温度、経時変化等がおよばす影響、を検討し、若干の考察を加えたものである。
5.まとめ
 本研究の範囲内で次のことがいえる。(1)、提案した極く初期コンクリートの強度推定式は、比較的よい適合性があると認められる。(2)、極く初期における高温養生は、初期材令強度およびヤング率を極めて増進化させる効果があった。このことをスライディングフォーム工法に活用すれば、長期強度を損わない範囲で、滑動型枠に加熱手段を用いて、内部の極く初期コンクリートの養生温度を上げることにより、強度特性が改善され、滑動速度を速く出来、施工の合理化がなされると考えられる。今後、高温時の型枠とコンクリートの付着性状について検討を要する。
PDFファイル名 004-01-0050.pdf


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