種別 論文
主題 太陽輻射入熱をうける軸対称コンクリート構造物の温度応力
副題
筆頭著者 田辺忠顕(名古屋大学工学部)
連名者1 遠藤孝雄(電力中央研究所)
連名者2 加藤治(電力中央研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 229
末尾ページ 232
年度 1982
要旨 1.序
 コンクリート構造物における温度応力として従来から論じられて来ている主たるものは、水和熱によるものと水あるいは空気等の外雰囲気によって与えられる温度勾配によるものとであった。近年、それら以外に、日射による温度応力成分が以外に大きくなることが明らかにされつつあり、注目され始めた。本研究は、原子力発電所等でよく採用されている軸対称コンクリート構造物(例えば、コンクリート製の原子炉格納容器あるいは外部遮蔽壁など)などを対象として、日射による温度応力の推定を理論的に行ったものである。
4.日射による応力分布
 応力分布は、温度分布に対応するものであるから、当然、変位ならびに荷重もフーリエ級数に展開することになる。歪ならびに応力は変位の微分として表わされるからこれらの諸量もフーリエ級数となり、最小ポテンシャルエネルギーの原理あるいは仮想仕事の原理から、各フーリエ項ごとの荷重−変位についての連立方程式が導かれる。ここでは、温度応力を自由膨張が拘束された時に発生する応力として、初期歪問題として解くために、各時間増分ごとに、各フーリエ項ごとの初期歪増分を考えた。3.で述べた温度分布に対して応力を求めたところ次のような結果を得た。コンクリートのヤング係数は、2.5×105kg/cm2とし、熱膨張係数は10×10−4/℃とした。図−8に夏期・冬期の応力が最大になる時刻の発生モーメントをθ方向、z方向について示した。モーメントの最大値は温度勾配が最大となる冬期で21t・m/mの量がz、θ両方向にシリンダー下部に発生する。しかし、応力的には、囲−9に示したようにドーム部分で最大値が発生し、θ、z両方向に約19kg/cm2の引張応力が発生することが示されている。これらの数値そのものは、単に一例題についての値にすぎないが、それらは、日射入熱の影響が決して少くないことを示している。原子力構造物のように透気性などの観点からひびわれ幅を問題にするような場合には、決して無視しえない要因である。本研究の一連の手法から、これらの影響を解析的に推定するための一手段を提供し得たと考えている。
PDFファイル名 004-01-0058.pdf


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