種別 論文
主題 シリカフュ-ムを混入したコンクリートの特性について
副題
筆頭著者 高木宣章(立命館大学理工学部)
連名者1 明石外世樹(立命館大学理工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 117
末尾ページ 120
年度 1984
要旨 1.まえがき
 硅酸第一鉄の副産物であるシリカフュ-ムをコンクリート用材料として使用する研究は、スカンジナビア諸国(特に、ノルウェ-、デンマ-ク)および北米を中心として1970年代から行なわれている。シリカフュ-ムは平均粒径が約0.1μmと非常に小さく、高性能減水剤と同時使用することにより、コンクリート中の微細な空隙、あるいは、セメントと水和生成物間の不連続粒子径の領域を十分に充填することができる。また、比表面積が約205000cm2/gと非常に大きいために、ポゾラン作用が期待できるなどの注目すべき特性がある。シリカフュ-ムをコンクリートに混入使用することにより、非常に緻密なコンクリートをつくることができる。その結果、諸強度が著しく増加すると同時に、透水性の低下により耐久性が増加する。一定量以上のシリカフュ-ムを混入使用する場合、アルカリ骨材反応を抑制することも知られている。日本においても年間約7万tのシリカフュ-ムが生産されている。
 シリカフュ-ムを外割20%混入したモルタルの圧縮強度は、標準水中養生(材令91日)の場合、約1100kg/cm2、オ-トクレ-ブ養生すると約1300kg/cm2であった。本研究は、実際構造物への適用を考えて、コンクリートにシリカフュ-ムを混入した場合の強度発現について、また、シリカフュ-ムの混入によるコンクリートの緻密さを、反発硬度、超音波伝播速度および動弾性係数を測定することにより、実験検討したものである。
4.結論
1)圧縮強度は、シリカフュ-ム混入率の増加につれて増加する。強度増加率は、高強度より普通強度を対象としたコンクリートが、かなり大きい。また、内割より外割の強度増加率が大きい。本実験では、シリカフュ-ムを粉体のまま練り混ぜたため、圧縮強度の変動係数が大きくなった。故に、練り混ぜに際してはシリカフュ-ムは、スラリ-として使用した方が、シリカフュ-ムの分散が十分に行なえると考えられる。
2)引張強度と曲げ強度は、シリカフュ-ムの混入により、普通強度を対象とした場合は、かなり増加するが、高強度を対象とした場合は、圧縮強度の増加率に比較してかなり低く、却って強度が低下するものもある。
3)反発硬度は、シリカフュ-ム混入率間の差が少ない。故に、シリカフュ-ムの混入によるコンクリート内部の緻密さの程度を反発硬度で評価することはできない。
4)コンクリート中の超音波伝播速度、静弾性係数および動弾性係数は、シリカフュ-ムの混入により、高強度を対象としたコンクリートの場合、減少する傾向にある。
5)圧縮応力-ひずみ曲線は、シリカフュ-ムの混入により、より直線に近づき脆性的となる。また、靭牲が、かなり大きくなる。
PDFファイル名 006-01-0030.pdf


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