種別 論文
主題 海洋環境下のコンクリートの塩素含有量とセメント水和鉱物
副題
筆頭著者 金子誠二(大成建設技術研究所)
連名者1 永野宏雄(大成建設技術研究所)
連名者2 桜井宏(大成建設技術研究所)
連名者3 安伸二(大成建設技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 157
末尾ページ 160
年度 1984
要旨 1.はじめに
 最近、海洋雰囲気でのコンクリート構造物の耐久性がコンクリート中の鋼材の腐食との関連で話題となっており、コンクリート中の塩分含有量がその原因として考えられている。
 コンクリート中の塩分は、海砂等配合時から混入してくる場合と、海洋環境下で外部から侵入してくる場合と両者があり、前者は洗浄処理量でコンクリートに含まれる量は限定されてくる。しかし、後者の場合、構造物の設計条件、立地条件、使用材料によって塩分含有量は一定せず異なっている。さらに、施工されてからの外部環境の程度、年数によっても影響をうけ、コンクリートと環境に接する接触面のコンクリート物性に左右され、接触面の物性の経年変化をとらえることがコンクリート中の鋼材腐食の機構解明に重要と考えられる。
 本報告は、従来とられていた目視観察、中性化試験や塩分含有量の調査方法から、よりコンクリートの表面物性をとらえるべく、外部環境に接するコンクリート表面からのセメント水和鉱物の変化で評価し、かつこれらの関係と塩分含有量との関連を検討しようとしたものである。あわせて、実構造物のコンクリート表面物性の評価手法として、化学的調査手法について提案しようとしたものである。
5.結論
 以上の結果をまとめX線回折やDTAで同定されたセメント水和鉱物の分布と遊離塩分(Cl-イオン)分布を図示すると図-8のようになる。コンクリート中の遊離塩素は、C3A水和物のうちエトリンガイトの分布域で多く含まれる。これは、Cl-を固定するC3Aの量が海水中のSO42-の浸透により消費され、相対的に減少するためと考えられる。したがって、セメントペ-スト部分の塩素の挙動が(全塩分を含めて)今後の海洋雰囲気でのコンクリート構造物耐久性の評価に重要となると思われる。これには、現在X線マイクロアナライザ-で分析することが重要と思われる。これについては別報で報告する。
 以上の調査方法は、試料を出来るだけ実乗構造物の環境条件にあわせてコンクリートの表層物性を化学的方法で評価しようとしたものである。現在実施している化字的調査方法の概要を図-9に述べ、年数のたった実構造物のコンクリート物性の評価の一助にしたいと考えている。
PDFファイル名 006-01-0040.pdf


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