種別 論文
主題 海水から塩害を受ける場所での構造物の金属腐食に関する研究
副題
筆頭著者 岸谷孝一(東京大学工学部)
連名者1 佐久田昌昭(日本大学理工学部)
連名者2 川上光男(日本大学大学院)
連名者3 伊藤雅之(日本大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 161
末尾ページ 164
年度 1984
要旨 1.はじめに
 世界の資源枯渇が問題となっている現在、海だけが地球上に残された資源未開発域である。資源の少ない我が国において海の開発は、将来を左右する重大な問題として注目されている。「海洋開発」は、海洋食糧資源・海底鉱物資源及び海洋エネルギ-資源の「海洋資源開発」と「海洋空間の利用」に大別される。このうち、海洋構造物が主となるのは、「海港空間の利用」であり、海洋開発が進むにつれて、これに必要な諸施設の建造も今後盛んになると予想される。これに伴い、沿岸域構造物の役割も重要となってくる。しかし海洋環境下は、構造物にとって苛酷な自然条件を有しており、構造物の部材・材料の劣化の増大など物理的耐久性に重大な影響を及ぼしている。海洋環境下の構造物が十分にその性能を発揮する為には、耐食的に十分な材料が適切に使用され、かつ本来の性能を保持できるように構造部材及び非構造部材の金属材料の腐食状況やその防食方法の適正な管理が十分に行なわれる事が重要である。
 今日、金属材料の腐食状況を把握する手法として、電気化学的な腐食モニタリングが注目を集めており、その有効性も認められている。その一手法として自然電極電位法は、装置が簡便で、操作も容易であり、かつ非破壊に長期間連続的に測定を行える利点があり、現在各方面にて、研究が進められている。
6.おわりに
 本実験において、コンクリートの中性化(PH値別)と内部鉄筋の腐食には、十分な相関関係のある事を確認した。そして、孔食腐食と全面腐食の境界がPH10.5付近である事は確認できたが、正確な値を求める為に今後も実験研究を進めていく考えである。又本報で提案した腐食形態分類は、過去5ヵ年間、沿岸域構造物(鉄筋コンクリート造)の実地調査を行い、その有用性を確めている。今後も、その分類をより明確にし、腐食電位(自然電極電位値)との相関を取り、今後の海洋構造物の耐久性調査に十分対応し得るものとしてゆきたい。
PDFファイル名 006-01-0041.pdf


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