種別 論文
主題 鉄筋コンクリート橋の塩害について
副題
筆頭著者 大城武(琉球大学工学部)
連名者1 伊芸誠一(沖縄総合事務所)
連名者2 上津敏(沖縄総合事務所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 165
末尾ページ 168
年度 1984
要旨 1.まえがき
 沖縄県内の鉄筋コンクリート橋は、海岸に隣接して架設されている場合が多く、高温多湿の気象条件下で海塩粒子の影響を常時受けている。さらに、海砂をコンクリート細骨材として使用する際、それに伴って塩分の混入がなされている例も多い。これらの影響により、鉄筋コンクリート橋の老朽化は他に比較して著しい。
 本調査研究は、昭和38年に沖縄県国頭郡の一般国道58号に架設され、延長308m、幅員8mのRCT桁橋とランガ-橋の混合橋である塩屋大橋を対象にしている(図-1)。本橋は湾口に位置して海水飛沫を受けているため、コンクリート部のひびわれ、剥離が著しく、昭和49及び50年にかけて銅板接着および樹脂注入による補修を行っている。その後、補修部周辺に新たなひびわれが発生し、その塩害対策を迫られている状態である。
 本論文では、外観調査、コア-の圧縮強度試験及び塩分含有量試験の結果と考察を論述している。特に注目しているのは、外観調査に基いた損傷度の定量的な評価方法である。この様な評価が損傷を発生させる主要因の解明を行う際の資料となる。
4.まとめ
 本橋の損傷は、コンクリート中の鉄筋の腐食によるひびわれの発生、コンクリートの剥離、剥落等であり、外観上の老朽化が著しい。本調査研究により、次の様な結論を導くことが出来る。
(1)外観調査結果をランクI〜VIIに分類して図に示してみると、損傷の程度と桁の位置との相関性が明瞭になっている。即ち、橋台での砕波による飛塩の桁面への付着が最も大きい場所で著しい損傷をもたらしている。次に汀線での波の砕波が風により吹き上げられ、桁側面に塩分が付着したことによる損傷であり、外側に面していない内側面で水分を伴って付着したことによるものである。又、外側に面した面では損傷が少ない。
(2)塩分量の分布図は、北風と橋台砕波の影響を明らかに示している。北側面に多くの分布量を示し、さらにその浸透深さも大きい。
(3)これらの調査から、本橋の損傷は外的要因である塩分の浸透によって発生したものであり、環境条件が最も重要な要因であることがわかる。従って、この様な位置に架設される橋梁については、鉄筋の防食について特別な配慮が必要となる。さらに、浸透含塩量の多い場合の補修工法についての検討を早急に必要としている。
PDFファイル名 006-01-0042.pdf


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