種別 論文
主題 既存鉄筋コンクリート建築物の鉄骨補強法におけるモルタル接合部の実験
副題
筆頭著者 山本泰稔(芝浦工業大学工学部)
連名者1 清田清司(芝浦工業大学工学部)
連名者2 青山博之(東京大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 413
末尾ページ 416
年度 1984
要旨 1.はじめに
 枠付補強耐震壁は、モルタル接合部が破壊して終局耐力に達する補強設計をしたのではじん性のある鉄骨耐震壁とはなりにくい。だからといってもモルタル中に頭付樹脂アンカ-や頭付スタッドを過剰に配置したのでは不経済となり、施工もむずかしくなる。そこで適正なモルタル接合部の設計を可能とするために、接合部の一部を取り出して引抜試験及び直接せん断試験を実施することとした。
 直接せん断実験については、既に57年度、模型試験体及び実大試験体を19体製作して加力実験を行ってきたが、その時点でのパラメ-タは、鉄骨枠の形状.アンカ-方法の種類及びピッチ、モルタルのせい、ひびわれ防止筋の種類、側圧の有無てあった。接合部の耐力は、i)頭付スタッド脚郡と母材との溶着部分の破断、ii)モルタルと鉄骨枠の相対的すべり量の増大によるスタッドのせん断降伏、iii)モルタル部分の破壊、iv)既存RC部分のひびわれ発生に伴う樹脂アンカ-の引抜抵抗力の低下とみられる破壊など複雑な原因で決まるから、既往の資料で設計耐力を求めることは困難であることがわかった。そこで、今回は接合部の設計資料を得るために引抜試験及び直接せん断試験を実施した。
i)両アンカ-の埋め込み長1:直径の約4倍及び6倍の2種類とする。ii)アンカ-のピッチx:12cm、18cm、24cmの3種類とする。iii)アンカ-の配列:樹脂アンカ-はシングル配列とし、模型ではDlO、実大ではD19の各1種類とする。スタッドは模型で9シングル配列の1種類、実大で16φはダブル配列、19φはシングル配列の1種類とする。iv)モルタル接触面に加わる側圧σn:+10kg/cm2、及び-5kg/cm2の各1種類とする。v)収縮ひびわれ防止筋の有無:4φスパイラル節の使用を原則とする。
 以下では、今回の試験結果と前回の直接せん断試験結果とを合わせ検討しながら、ここで採用したモルタル接合部の設計資料を提供する。
7.結論
 本モルタル接合部の耐力は、モルタル強度、スタッド及び樹脂アンカ-の形状・耐力は、現状では、実験結果を利用して決定せざるをえない。
57年及び58年の両年度の来施した試験を総合して判断したとき、スタッド1本当りの短期許容せん断耐力qDとしては16φダブル配列に対し5.31ton、シングル配列に対し8.04tonという終局時平均せん断耐力を採用するのが鉄骨枠付補強に対して妥当と考えられる。なお、モルタル接合部に引張の側圧が加わるとせん断耐力は低下するから、特別な配慮が必要となる。
PDFファイル名 006-01-0104.pdf


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