種別 論文
主題 鉄筋コンクリート造建物に於ける彫込式アンカ-ボルトを用いた接合部の挙動
副題
筆頭著者 遠藤利根穂(都立大学工学部)
連名者1 清水泰(都立大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 417
末尾ページ 420
年度 1984
要旨 1.はじめに
 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強や居室の増築等を計画する際に後打ち増設壁を用いた工法を採用する事が多く、この様な場合には既存の鉄筋コンクリート造躯体と増設壁との接合部に彫込式のアンカ-ボルトが多用されている。彫込式アンカ-ボルトを用いた接合部に関しては斉藤等の研究が有り、また、スタッドボルトに関するFisher等の研究も有るが現在十分であるとは言難い。筆者等はこの点に留意して種々の要因を持つ接合部の実験研究を行なって来たが、今回彫込式アンカ-ボルトを用いた鉛直接合部について、特に研究例の少ない接合面の断面積や目荒しの差異による影響に重点を置いたせん断加力実験を行なった。本論文はこの実験概要をまとめたものである。
6.まとめ
 彫込式アンカ-ボルトを用いた接合部の挙動を検討するために行なった直接せん断実験の結論を以下に示す。
(1)接合部に柱型を設け断面を増加させた試験体では一体打試験体とほぼ同等な耐力が得られ、終局時でも結合部がすべらない事が確認された。これに比較して柱型の無い試験体では最大耐力が低めな値となり、終局時には接合部でのすべり破壊を生じた。
(2)接合部に柱型を設けた試験体と一体打試験体の最大耐力はせん断耐力計算値に近い値となり、柱型の無い試験体ではFisherの接合部耐力式と床スラブのパンチング耐力式との和の値に近い値となった。
(3)荷重のかなり高い段階まで新旧コンクリートの付着力がせん断伝達に有効であり一体性が保たれていた。Bシリ-ズの実験によれば付着が切れる時の平均せん断応力度の平均値は10.5Kg/cm2であった。
(4)Fisherの提案氏による値は比較的良く実験値と一致したが、径の太い機械式アンカ-に於ては計算値が高めの値となった。また、斉藤等の提案式による値は平均的にみると実験値に近い値となった。
(5)目荒しを行う事によって接合部耐力は上昇しし、鋼材の直接せん断強度を上回る事もあった。
PDFファイル名 006-01-0105.pdf


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