種別 論文
主題 高強度コンクリートを用いたPC梁の耐力と破壊の性状
副題
筆頭著者 船越稔(法政大学工学部)
連名者1 田中弘(法政大学工学部)
連名者2 谷政幸(法政大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
6
0
先頭ページ 469
末尾ページ 472
年度 1984
要旨 1.はじめに
 高強度コンクリートは、PC部材に適用してその利点が最も発揮されるものと思われるが、この種部材の力学的性状は十分に明らかにされていない。本研究は、コンクリートの圧縮強度、腹部補強率および導入プレストレス量を変えた1形PC梁において、せん断スパンと有効高さの比(a/d)を変化させて載荷試験を行った。その結果に基づいて、主として高強度PC梁のせん断耐力に検討を加え、同時に曲げ耐力、じん性についても論じた。
4.むすび
 高強度コンクリートと常用強度のコンクリートを用いたプレストレストコンクリート梁の破壊試験を行い、その結果に検討を加えてきたが、本研究の範囲内で得られたことを要約すると以下のようなことがいえた。
(1)高強度コンクリートを用いた腹部無補強のPC梁では導入プレストレスを大きくできるため常用強度の梁に比べて斜ひびわれの伸展は遅くなり、せん断圧縮破壊を起こしやすくなり、そのために終局せん斬耐力は著しく向上した。
(2)コンクリートが高強度になるにつれて曲げひびわれ耐力、終局曲げ耐力ともその増加は頭打ちになった。また、その傾向は曲げひびわれ発生後の耐力の伸びがコンクリート強度の増加に伴って低下するため、終局曲げ耐力において多少大きくなった。
(3)曲げ破壊モ-メントにおよぼす応力ブロック係数の影響は、コンクリートが高強度になるほど圧縮破壊から引張破壊に近づくために小さくなる傾向にある。
(4)曲げ破壊を起こす高強度PC梁では、常用強度のコンクリートを用いた場合に比べて、終局時のたわみ、梁圧縮部のコンクリートのひずみともに小さくなり、梁の破壊はコンクリート強度の増加に伴って脆性的になる傾向にあった。
(5)腹部無補強のPC梁の場合、曲げ破壊を起こした梁に比べて終局時のたわみ、ひずみにおよぼすコンクリート強度の影響はかなり小さかった。せん斬破壊を起こした梁は曲げ破壊の梁に比べてたわみ、ひずみともに小さく、その破壊は急激であった。
(6)腹部無補強のPC梁に少量の腹鉄筋を配置した場合は、せん断破壊から曲げ破壊に近づくため腹鉄筋によりじん性は向上するが、曲げ破壊に近い梁では、腹鉄筋の量をふやしても終局時のたわみ、ひずみともに変化はなく、腹鉄筋によるじん性の改善は認められなかった。
PDFファイル名 006-01-0118.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る