種別 論文
主題 各種セメント系材料の酸素及び塩素イオンの拡散性状
副題
筆頭著者 小林一輔(東京大学生産技術研究所)
連名者1 出頭圭三(前田建設工業技術研究所)
連名者2 辻恒平(東京大学生産技術研究所)
連名者3 小川和雄(東京大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 89
末尾ページ 92
年度 1985
要旨 1.まえがき
 コンクリート構造物の塩害による早期劣化現象が各地で発生しており、確実な防食工法の早急な開発が望まれている。本報告は、コンクリート中の鋼材の腐食因子である塩素イオンや酸素の拡散を制御し得るような材料によって構成されるパネルを用いて部材の最外層を形成し、鋼材の防食を図ろうとする研究の一環として行ったものである。材料にはポリマーセメントモルタル(PCM)、高炉水砕スラグ混入モルタル(BM)及びコンクリート(BC)と、比較検討のためプレーンのセメントモルタル(CM)、コンクリート(C)を選び、その酸素及び塩素イオンの拡散性状を比較した。これまで塩素イオンの拡散については、近藤他をはじめ多くの研究がなされており、測定方法も一般的となりつつあるが、酸素の拡散についてはほとんど研究が行われていない。コンクリートの透気性に関しては吉井他以後いくつかの研究が行われているが、それらはいずれも圧力差のある場合の透気性を対象としており、大気圧下での拡散とは現象が異なるものと考えられる。コンクリート中の鋼材腐食を考える場合には、透気係数よりも拡散係数の方が重要である。そこで本研究では、圧力差のない状態で濃度差によって酸素がどの程度透過するかを測定した。

5.まとめ
 本研究の範囲内で明らかになった事項を列記すると以下のとおりである。
(1)ポリマーセメントモルタルは酸素及び塩素イオンいずれに対しても有効な拡散制御効果があり、防食材料として有望である。ポリマーの添加量はポリマーセメント比で15%程度が望ましい。
(2)酸素の拡散は材料の含水状態によって著しく変化し、水セメント比60%のコンクリートでは含水率が80%から60%に減少すると拡散係数が20倍以上になる。しかしポリマーセメントモルタルは比較的含水率の影響を受けずポリマーセメント比20%のものは、通常の環境条件下では乾燥に無関係と見なせる。
(3)セメント系材料中の酸素の拡散は、分子拡散が支配的である。
PDFファイル名 007-01-0023.pdf


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