種別 論文
主題 反応性骨材を用いたコンクリート供試体とモルタルバーの膨張特性
副題
筆頭著者 岡田清(京都大学工学部)
連名者1 今井宏典(阪神高速道路管理技術センター)
連名者2 小野紘一(鴻池組本社土木技術部)
連名者3 南川洋士堆(鴻池組技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 161
末尾ページ 164
年度 1985
要旨 1.まえがき
 ごく近年、コンクリート構造物のひびわれや変状の一部がアルカリ骨材反応によるものと確認されて以来、発注者のみならず施工者もこれから建設するコンクリート構造物には将来このような反応が起こらないよう努力している。アルカリ骨材反応によるコンクリ−ト構造物の被害の程度は、コンクリート中に含まれるアルカリ量、反応性骨材の含有量、反応性骨材の活性度、構造物部材の性状、環境条件、暴露時間等によって異なるようであるが、今のところ反応性骨材の使用を避ける方向で反応の予防を実施し始めている。現状では、骨材が反応性であるかどうかについて
(1)顕微鏡観察や粉末X線回折を行ない、反応性の鉱物を含んでいないか、また実構造物に被害を与えている反応性骨材と類似していないかを調査する。
(2)アルカリとの強制反応試験で、反応性の度合を詞べる(化学法)。
(3)骨材を粉砕して作製したモルタルバーの膨張量を測定する(モルタルバー法)。
等の方法によって判定されている。(1)の方法は、岩石学的に比較的熟練した技術者が必要であり、仮りに疑いが生じても「反応性らしい」という程度の判定に止まるようである。(2)の方法は、有害と判定された骨材がモルタルバー法をやっても異常な膨張をしないケースも多く判定はむしろ厳しすぎるように思われる。(3)の方法は期間が6ケ月と長くかかること、アルカリ量によってモルタルバーの膨張量が異なる、等の問題点を内蔵している。また、モルタルバーは、骨材を粉砕して使用しているため、反応がし易くなっているかも知れず、コンクリートではそれほど膨張しないかも知れない。さらに、反応性骨材の含有率によってコンクリートの膨張量が異なると推定されるが、コンクリートにおけるいわゆるペシマムはモルタルバーにおけるペシマムと異なるのではないか。また、粗骨材が反応性でなくても砂が反応性の場合に、コンクリートに膨張の影響を与えないか、等の疑問点がある。このような背景のもとに、本研究は、実構造物に被害を与えている骨材と岩種が類似した反応性骨材を用いつぎのような2つの実験を実施した。
 実験A 反応性粗骨材を用いたコンクリートの膨張特性
 実験B 反応性砂を用いたコンクリートの膨張特性
 なお、実験Aでは、比較のため反応性骨材合有率やアルカリ量を同一にしたモルタルバー試験を実施した。

5.結語
 反応性骨材の膨張特性は主にモルタルバーを用いて行なわれているが、今回コンクリートでの膨張特性を把握する目的で10×10×40cmの角柱供試体により促進膨張試験を実施した。使用した反応性骨材が1種に限定されており、角柱供試体の寸法やコンクリートの配合も一律にしているため一般的な結論を引さ出すには至らないが、コンクリートの膨張量もアルカリ量やGR/Gに大きく作用され、モルタルバーに比べ膨張速度は緩慢であるが、アルカリ量によってはかなり膨張するようである。また、アルカリ骨材反応が生じている実構造物から採取したコアの試験結果も同様の傾向を示しているようである。なお、粗骨材が非反応性でも砂が反応性であるとコンクリートに膨張の影響が出るようであり、この点には留意する必要がある。
PDFファイル名 007-01-0041.pdf


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