種別 論文
主題 AE手法による鉄筋コンクリート梁の疲労破壊予測に関する研究
副題
筆頭著者 柿沢忠弘(東京大学大学院)
連名者1 魚本健人(東京大学生産技術研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
7
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先頭ページ 253
末尾ページ 256
年度 1985
要旨 1.まえがき
 コンクリート構造物には種々の静的外力を受けるのみならず、くり返し荷重を受ける構造物が多数存在する。橋梁の場合を取りあげると、例えば全国各地に建設された高速道路の交通量は設計当初において予想された交通量に比べるとはるかに多量になっているものも多く、その疲労寿命および劣化程度に関しては的確な予測方法が必要となってきた。
 現存する構造物の疲労寿命を予測する方法としては、今日までの交通量調査や設計時の疲労特性から計算で求める方法も存在するが、高速道路の橋脚や東海道・山陽新幹線の高架橋などで、アルカリ骨材反応や鉄筋の腐食によるコンクリートの劣化現象が続発して大きな社会問題となっている今日、補修をきちんと実施していく以外に手はなく、そのためには適切な補修時期を知ることは極めて重要である。にもかかわらず、こうしたコンクリート構造物の劣化をも考慮した疲労寿命および劣化程度の予測方法は見当たらず、その出現が強く望まれている。
 そこで本論文では、一定応力振幅のくり返し荷重を受ける普通鉄筋コンクリート梁(RC梁)について、荷重くり返し数や梁の変形、アコースティック・エミッション(AE)カウント数などの計測を行なって疲労特性とAE特性との関係を明らかにし、そのAE特性が梁の疲労寿命や劣化程度を予測する手段として利用できるかどうかの検討を加えた。その結果、梁の疲労寿命および劣化程度の推定に対してはAE計測が有効であることが判明したので、以下にこれを報告する。

5.結論
 梁の疲労載荷時にAE計測を行なった結果、以下のことが明らかとなった。
(1)疲労載荷時において、曲げ破壊した梁ではAEの安定期と不安定期がくり返されているが、せん断破壊した梁では安定期が現われずに破壊にいたる。また破壊しなかった梁の場合、安定期の後にAEの発生が再び活発になることはない。なお、梁の安定期と不安定期は、ひび割れの進展期と停止期に対応している。
(2)1サイクル載荷毎に発生するAE数(dAE/dN)の値が一定か現象していれば、梁は破壊に対して安全と判断されるが、増加していればモニタリングを継続し、何らかの措置を講じる必要がある。
PDFファイル名 007-01-0064.pdf


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