種別 論文
主題 ダブルミキシング機構に関する実験的研究
副題
筆頭著者 田澤栄一(広鳥大学工学部)
連名者1 丹義幸
連名者2 江川貴志(鴻池組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
7
1
先頭ページ 321
末尾ページ 324
年度 1985
要旨 1.まえがき
 セメントに水の一部を加えて練りまぜた後、水の残部を加えて練りまぜると、従来の練りまぜ方法に比べて大幅に性質の異なるセメントペーストを製造できることが明らかになった。ブリージングを最大最小にする水の分割比率が存在し、この比率がセメントの粉末度や組成によって影響を受けることが示された。このような効果が生ずる理由については、種々の論議はあるが未だ不明の点が多く、粒子と水の表面化学的な相互作用が具体的にどのような現象であるのか明確なモデルは示されていない。また水とセメント粒子の系で見出されたこの効果が、粉体と液体の組合せで得られる一般の系に対し、どの範囲で期待できるものなのかについて、予測の試みもなされていない。練りまぜ後、分離しにくいサスペンジョンをいかにして製造するかは、化学工業をはじめ多くの工業分野の共通のテーマである。ダブルミキシングをこのような観点から評価しなおすことはこれらの分野に新しい展開を求めるためばかりではなく、セメントと水の系で現に起っている現象をより明確に理解するためにも意義があるものと思われる。そこで本研究はT.C.Powersが粒子の静電反発力(electrostatic repulsion)に着目して行なった実験をダアルミキシングによって追試し、粒子の凝集力の相異がダブルミキシング効果に及ぼす影響について検討を加えることを目的とした。

5.まとめ
 セメントペーストの水の一部を工チルアルコールで置き換え、粒子の電荷を変化させた実験の結果、次の事実が判明した。
(1)粒子の電荷にかかわらず、タブルミキシングによって沈降体積が変化する。しかし、セメント-水の場合のように一次液体比によって沈降体積が増加することはなく、アルコール混入率、一次液体比に関係なく、いずれの場合にも沈降体積は現象すなわちブリージングは増加した。
(2)ダブルミキシングの効果は粒子の電荷が大きい場合に顕著に現れる。ダブルミキシングにより沈降体積を増加させ、ブリージングを減少させうるのは、粒子の正の電荷が大きくなる場合であり、表面活性剤の選定はこの観点から行うのがよい。
PDFファイル名 007-01-0081.pdf


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