種別 論文
主題 各種の初期欠陥を有する部材の共振特性
副題
筆頭著者 坂田康徳(九州東海大学)
連名者1 大津政康(熊本大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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末尾ページ 4
年度 1986
要旨 1.まえがき
 コンクリ−ト非破壊検査方法の1つに共振法があるが、この方法は約20KHz以下の低周波数領域における弾性波による部材の共振現象を利用した、主に、コンクリートの弾性係数測定のための方法である。一方、筆者らはAE法で用いる装置を主体とする、より広域帯(約1〜500KHz間)を対象とした弾性波フィルター特性による非破壊評価法を検討している。この両者はコンクリート中を伝播する弾性波を利用した方法として共通点が多い。後者は周波数領域におけるフィルター特性として表される支配的ピークの周波数やその振幅、あるいはピーク発生状況等を種々の見地から分析あるいは解析して、その材料の物性(ひび割れ、空隙、強度、劣化度等)の評価を行うものである。本方法では、フィルター特性の指標の1つとして、初期ピーク周波数を測定して評価値とするケースが多い。この値は、低周波数領域において受信センサーが感知した初期の主要な共振点と考えられるので、弾性波による部材の共振現象を理論的に解明しておくことが不可欠である。
 本論文では各種の欠陥を有する部材の低周波数領域における共振現象を解明し、本方法と共振法との関係を明らかにしてRC示方書で用いられている動弾性係数算定式の理論的考察を行う。そして、円形欠陥を有する部材、網状ヘアークラックを有する部材、凍結融解試験による劣化過程にある部材等、各種の初期欠陥を有する部材の弾性波フィルター特性とこれらをモデル化した部材の有限要素法(FEM)による解析結果との比較検討を行っている。尚、以後、本方法を仮の名称としてEFCM(Elastic Filter Characteristic Method)と呼ぶものとする。
6.結論
(1)コンクリート部材の動弾性係数の算定は式(1)によるよりも式(4)による方が初期弾性係数に近くなる。
(2)円形欠陥を有する部材におけるF1が欠陥寸法の増加と共に低下する傾向のあることが実験おとび解析ともに認められた。
(3)急速乾燥に伴う網状ヘアークラック量の増加と共にF1は低下するが、水分の補給でかなり回復する。
(4)凍結融解試験における劣化度評価はEFCM、共振法縦振動法およびタワミ振動共に同様の傾向を示す。故に、EFCMにより共振法同様に強席推定や劣化度評価が可能である。
(5)FEM解析による部材の共振解析結果ではF1kがEやνによって変化し、その傾向は式(4)による値にほぼ等しい。
PDFファイル名 008-01-0001.pdf


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