種別 論文
主題 マスコンクリートの温度ひびわれ危険度判定に関する研究
副題
筆頭著者 森本博昭(岐阜大学工業短期大学部)
連名者1 小柳洽(岐阜大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 53
末尾ページ 56
年度 1986
要旨 1.まえがき
 マスコンクリートの温度ひびわれに対する危険度を評価する場合、温度応力解析から得られる応力あるいはひずみとコンクリートの引張強度あるいは引張ひずみ能力とを対比させ、その危険性を評価するのが一般的であり、中でも温度応力が引張強度を上回った時に温度ひび割れが発生すると確定論的に判断することが多い。しかし、温度応力解析から得られる応力あるいはひずみとそれに対する引張強度ならびに引張ひずみ能力のいずれもが避けがたい誤差とばらつきを有する量があり、従ってこれらにもとずく、温度ひびわれ危険度の評価も確率論的、もしくはある誤差の範囲を前提として行わなければならない。
 本研究は43例のコンクリート構造物を対象として、有限要素法による温度解析ならびに温度応力解析を実施し、解析により得られた温度応力とこれに対するコンクリートの引張強度から温度ひびわれ危険度を表す指標を算出し、温度ひびわれの発生とこの指数の分布との関連性ならびにこれにおよぼす温度応力発生メカニズムの影響などを明らかにしたもので、今後温度ひびわれ危険度の評価を行う際の有力な参考資料を得ようとするものである。
5.まとめ
 本研究の範囲内で得られた主な結論をまとめると次のようになる。
(1)内部拘束が卓越する場合、ひびわれ有と無とが混在する最大温度差の範囲は28.7〜39.3℃であり、この範囲より上ではすべての例でひびわれが発生しており、逆にこの範囲より下においてはひびわれは発生していない。一方外部拘束が卓越する構造物において、ひびわれ発生有と無の例が混在する場合の平均温度下降量の範囲は15.3〜26.7であり、この範囲より上ではすべての例で発生しており逆にこれより下においてはひびわれは発生していない。
(2)ひびわれ有と無の例が混在するひびわれ危険指数I1の範囲は0.65〜1.25で、この範囲より上ではすべての例でひびわれが発生しており、逆にこれより下ではひびわれは発生していない。従って指数I1の値が0.61<1.2の範囲はひびわれ有と無とが混在する領域、そしてI1>1.2の場合はひびわれ発生の可能性が高く、I1<0.6の場合はひびわれの危険性は低いと判例しても大きな誤りはないものと考えられる。
(3)ひびわれ危険指数I1の逆数(1/I1)は、ひびわれ有と無とが混在する領域では0.80〜1.54の値となり、そして(1/I1)<0.8の場合はすべての例でひびわれが発生しており、(1/I1)>1.54ではひびわれは生じていない。
PDFファイル名 008-01-0014.pdf


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