種別 論文
主題 透水試験結果による水密性に基づくコンクリートの耐久性の評価
副題
筆頭著者 大岸佐吉(名古屋工業大学)
連名者1 棚橋勇(名古屋工業大学)
連名者2 小野博宣(中部大学)
連名者3 水谷且哉(小原建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 113
末尾ページ 116
年度 1986
要旨 1.序
 コンクリートの耐久性を評価する上で重要な意味をもつものに水密性がある。
 コンクリートの水密性に関しては、従来多くの貴重な研究があり、水密性を判断するための種々な利点を持つ(透水試験方法)が提案さわている。しかし、これらの試験方法は、コンクリートの透水性を満足に試験できることを示しているが、いずれの方法も装置の特性上、構造物に打ち込まれたコンクリート(以下構造物コンクリートと呼ぶ)について、透水性の試験を実施する事はできない。構造物コンクリートの透水試験験結果に及ぼす、調合や運搬過程、圧送方法、打ち込み及び養生方法等の影響を明らかにし、耐久性の評価をするためには、構造体コンクリートの現場測定にかなう新しい透水武験装置の開発と判定方法の確立が必要である。
 本研究は、構造物コンクリートの透水性を測定できる透水試験装置を開発し、試作した。そして、この装置の特性実験を行った。この装置を使用して、円板型供試体及び中空円板型供試体を用いた透水試験結果に及ぼすコンクリートの流動性及び調合の影響を調べ、両者の関係を明らかにした。更に、これらの結果とブリーディング率、乾燥収縮率、重量減少率及び凍結融解に対する抵抗性との関連性を検討考察した。次に、建築施工現場において、構造物コンクリートの壁の上、下二層及び床の、透水試験結果に及ぼすまだ固まらないコンクリートの調合や運搬過程及び施工要因などによって生ずる品質の変動の影響を明らかにすると共に、これらの試験結果と計画調合の水セメント比と水量から算出した透水係数との比較検討からコンクリートの耐久性の評価を試みた。
4.結論
(1)本透水試験装置は、コンクリートに圧入された水量を、簡易、迅速かつ高精度に測定てきるものである。
(2)供試体が絶乾状態のものは、透水時間が20分頃までは非定常流れを示し、それ以後は定常流れを小す。これに対し、表乾状態のものは、透水開始初期から定常流れを示す事が判った。
(3)型枠内への充填が良好に行われたコンクリートの打ち込み方向に対する加圧透水方向の影響は僅少である。又、圧入水量と加圧透水圧力の関係は直線関係を示す。
(4)透水係数を水セメント比と単位水量とによって表示する式(3・1)を提示した。
(5)コンクリートの水密性を高め耐久性を向上するためには、材料分離に対する抵抗性を有する良好な流動性と適切な施行計画を行う事が肝要である。特に、スラブや壁厚が大きい場合には注意を要する。
(6)本実験で示した透水試験装置は、構造物コンクリートの透水性の試験に充分適用出来るものであり、その試験結果と計算値の透水係数との比較検討結果から、水密性の良否を判断し耐久性を評価する一手段と考えられる。
PDFファイル名 008-01-0029.pdf


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