種別 論文
主題 シリカフュームを用いた高強度コンクリートのクリープ性状
副題
筆頭著者 田沢雄二朗(鹿鳥建設)
連名者1 信田佳延(鹿鳥建設)
連名者2 石井明俊(鹿島建設)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 301
末尾ページ 304
年度 1986
要旨 1.はじめに
 コンクリート用混和材としてのシリカフュームに関しては近年、多くの研究がなされつつあるが、その多くは、シリカフュームの添加によるコンクリートの強度、耐久性(耐凍結融解性、耐海水性)の向上、あるいは、アルカリ骨材反応の抑制等に関するものである。また、その対象構造物としては、海洋構造物をはじめ、耐久性が要求される多くの構造物が考えられている。
 筆者らはこれまでに、北極海域における石油掘削用プラットフォームを対象とした、シリカフュームを用いた高強度軽量コンクリートに関する検討を実施してきた。その結果、シリカフュームの使用によって高強度軽量コンクリートの強度、耐凍結融解性を向上できることが確認された。一方、シリカフュームはPC構造物に使用されることも多く、これらの構造物の設計に必要となるクリープ特性に与えるシリカフュームの影響については、ほとんど群明されていないのが現状である。これらの背景のもとに、シリカフュームを用いたコンクリートのクリープ特性を調ペるため、室内クリープ試験を実施した。本報文はシリカフュームを混入した軽量および普通コンクリートについて載荷期間1年までの結果を報告する。
4.まとめ
 シリカフュームを用いた高強度コンクリートの物性に関する検討のうち、コンクリートのクリープ性状を把握することを目的として室内クリープ試験を実施した。載荷期間1年までの試験結果の概要をまとめると次のとおりである。
a)最終クリープ推定値に対する載荷期間1年の比率は、シリカフューム無添加のもので0.81〜0.87、添加したもので0.85〜0.94となり,シリカフュームの添加によって大きくなる傾向を示した。
b)軽量コンクリート、普通コンクリートともに、シリカフュームの添加によってコンクリートの単位クリープひずみは減少し、その比率は、軽量コンクリートで50〜65%、普通コンクリートでは45〜70%であった。また、軽量コンクリートではシリカフュームの有無にかかわらず、気中養生の単位クリープひずみは密封養生の約2倍となり、普通コンクリートではシリカフュームを添加した場合、気中養生は密封養生の1.4〜1.8倍となり、無添加の場合には両者の差がほとんど見られなかった。
c)シリカフュームを添加したコンクリートのクリープ係数は、軽量コンクリート、普通コンクリートともに、無添加と比較して約60%に減少した。また、養生条件の差による影響は骨材の種類によって異なり、気中養生に対する密封養生の比率は軽量コンクリートで48%、普通コンクリートで73%であった。
PDFファイル名 008-01-0076.pdf


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