種別 論文
主題 鉄筋を緊張材として用いたIII種PCはりに関する研究
副題
筆頭著者 出光隆(九州工業大学)
連名者1 渡辺明(九州工業大学)
連名者2 村上義彦(富士ピーエスコンクリート)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 673
末尾ページ 676
年度 1986
要旨 1.まえがき
 プレストレスコンクリート標準示方書にはIII種PCが取り入れられて以来、それまで離れていたRCとPCとの距離は次第に挟められ、今日では、PCI種、II種、III種とRCとはプレストレスの程度が変わるたけで、本質的には同一線上にあるものとして、一般に認識されるに至った。
 周知のようにPCI種、II種では、ひびわれの発生は許されず、大きなプレストレス力が必要となり、緊張材として高張力鋼の使用を余儀無くされる。それに対し、III種PCの場合は、プレストレス導入の目的はひびわれ制御にあるから、必ずしも大きなプレストレス力は必要でなく、RCの主鉄筋をそのまま緊張材として利用することも可能である。そこで、筆者等はプレキャストRC製品を例にとり、鉄筋のIII種PC用緊張材としての利用について実験的研究を実施した。
5.むすび
 本研究で得られた結果をまとめると、以下の通りである。
1)鉄筋(SD30)を緊張材として用いて、III種PC部材を作ることができる。その場合、初期緊張力として降伏点の60%以上の応力を導入する必要がある。
2)有効プレストレスカは初期緊張力の30〜35%程度となる。
3)降伏点の40%以下では、約半年程度でプレストレスは消滅する。しかしながら、通常のRCでひびわれの原因となる乾燥収縮による引張応力は生じない。若打令ではプレストレスが残っており、極めてひびわれの生じ難いRC部材ができる。
4)Individual mold method(型枠長12m)によれば、鉄筋定着時のセットロスは、約15%程度となる。しかしながら、そのばらつきは小さく、変動係数は5%以下であり、プレキャスト部材製作上問題はないと考えられる。
 実際に、鉄筋を用いたIII種PCとしてプレキャスト部材を設計する場合、RCに比べて必ずしも経済的に有利になるとは限らない。しかしながら、同程度のコストでひびわれの生じ難い部材が得られることは確かである。現在のプレストレスコンクリート標準示方書では、緊張材としては、PC鋼材を用いることになっている。しかしながら、鉄筋を緊張してはならないという規定はない。今後、鉄筋緊張が汎用されることになれば、PCの適用範囲はさらに拡がって行くものと考えられる。
PDFファイル名 008-01-0169.pdf


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