種別 報告
主題 二酸化炭素ガス−真空脱水処理によるセメント製品の硬化促進方法
副題
筆頭著者 田中真人(芝浦工業大学)
連名者1 十代田知三(芝浦工業大学)
連名者2 横尾和人(芝浦工業大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 877
末尾ページ 880
年度 1986
要旨 1.はじめに
 セメント系製品の硬化促進方法には、蒸気養生・オートクレーブ養生等が多用されている。その他、高周波や放射線等を用いた特殊な方法も一部で研究されている。しかし、これらの方法は、いずれもエネルギー消費量が大きい上、製造設備・施設等のコストがかさむ。このような中で、省エネルギーを主目的とした各種研究が、国の内外で行われてきた。特に欧米諸国では、廃ガスとして得られやすい二酸化炭素ガス(以下CO2という)を用いた硬化促進方法やこれに真空脱水処理を併用した方法等が鋭意研究されてきた。わが国では、CO2を用いたセメント系製品の硬化促進方法の研究はあるものの実用化には至っていない。本研究は、主として省エネルギー・迅速硬化の観点から、CO2と真空脱水を併用した処理によるセメント系製品製造の実用化を目的として、その可能性を実験的に探究するものである。
 昨年度の実験は、セメントペーストを加圧成形したφ100x7mmの供試体を用いて密閉容器で脱気・CO2処理して点載荷圧裂法で強度試験を行ったものである。この結果、最適水セメント比は10%で無処理のものの7日強度に匹敵する強度が得られた。
 本年度は、対象をモルタルとして真空脱水処理を併用した方法について実験を行った。
7.まとめ
 本実験で得られたモルタルについての結果を以下に述べる。
1)真空脱水+CO2処理工程約65分で、無処理の場合の7日強度を得ることが認められ、硬化促進方法としての有効性が示された。
2)いずれの連行空気量、処理時間においても、W/C=40%が最も高い強度を示した。
3)連行空気量が増すほど促進効果は向上した。
4)反応温度はCO2処理初期に急激に上昇し、その後は緩慢となった。
5)反応温度、速度は、強度発現と明確な相関関係は認められなかった。
6)真空脱水処理を行わないものは、CO2処理を行っても促進硬化は全く見られなかった。
7)水セメント比を問わずAE剤を添加しないものは、硬化が全く見られなかった。
8)強度発現機構は、通常の大気中における炭酸化による強度増加とは異なった複雑な過程を経ていると推測される。
PDFファイル名 008-02-0220.pdf


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