種別 報告
主題 2方向にプレストレシングされた添梁の耐力実験
副題
筆頭著者 近藤真澄(名古屋市交通局)
連名者1 堀幸夫(大成建設)
連名者2 菅原義信(大成建設)
連名者3 大友健(大成建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 921
末尾ページ 924
年度 1986
要旨 1.まえがき
 本試験は、名古屋市交通局地下鉄6号線工事における、既設柱の仮受け構造を対象としたものである。6号線は、既設のユニモール地下街の直下をボクスカルバートで通過することから、ユニモールの柱荷重(1柱当り700t)を図-1に示すように4点で仮受けする必要がある。既設柱仮受け時の添梁としては、一般的に1方向プレストレス締結方式が採用され実験も多い。しかし本件の場合は、新旧構造物との空頭が小さく、かつ既設柱の仮受け荷重も大きいので、この方式による添梁構造は困難である。
 そこで、これらの条件を、満足する工法として、正方スラブの4端からプレストレスによる緊張をおこない、柱・添梁接触面全面を柱荷重に対して有効なせん断面と考える2方向プレストレス締結式添梁工法を採用した。しかしこの工法は今まで施工実積がなく、設計手法・耐力特性や力学挙動が明確になっているとは言い難い。したがって、実構造物の1/2スケールの試験体に対して載荷試験を実施し、2方向プレストレス締結方式添梁の安全性・設計仮定の妥当性および接触面でのせん断の伝達機構・破壊挙動等を確認した。
7.まとめ
 2方向締結添梁の設計上の取り扱いとして4点支持のスラブ構造を一方向の全断面有効の梁として弾性解析する手法の妥当性を検討した。試験結果より、本添梁構造は、柱荷重を梁全断面で受け持つことが確認され、梁の曲げに対しては、柱・添梁接触面の下縁開口荷重が変形の臨海荷重となることが明らかとなった。設計上ではこの時の下縁応力を15kg/cm2としており、この荷重まで接触面は開口せず、設計計算は添梁の挙動を十分把握できるものである。また、実際に試験体に作用する応力は計算値の75%程度であり安全側の設計となっていることが確認された。
 本実験では、仮受け構造の破壊は添梁自体のせん断破壊となったため、接触面のせん断強度は求めることがぐきなかったが、接触面のずれ急増荷重をせん断応力限界として整理した。この結果、設計における平均せん断応力50kg/cm2以下の制限値は、接触面に圧縮応力が作用している状態で有効であり、これ以上の荷重では、梁の曲げによる有効断面の減少を考慮する必要があるものと認められた。本構造の場合、nP荷重(下縁応力15kg/cm2以下)に対する設計を実施しているので、十分安全である。
 試験体は、PC鋼棒の緊張力を低減した場合でも所要の耐力を有することが確認された。したがって本設計手法により十分安全な仮受け構造を構築することができる。
PDFファイル名 008-02-0231.pdf


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