種別 論文
主題 しらすのコンクリート用細骨材への利用に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 武若耕司(鹿児島大学工学部)
連名者1 松本進(鹿児島大学工学部)
連名者2 川俣孝治(鹿児島大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 7
末尾ページ 12
年度 1987
要旨 1.まえがき
南九州に広く分布するしらすの堆積量は、鹿児島県のみを考えても600億m3を優に越えると堆察されている。そこで、このように多量に存在するしらすが少しでも付加価値の高い材料として利用できれば、南九州の産業構造活性化の一つの原動力ともなり得ると期待され、特に、大量の土石を利用することの多い土木・建築の分野におけるこの期待は大きい。
一方、近年のコンクリート工学における諸問題についてみると、骨材に関連する問題が急激に増加しているが、これらの原因の多くは、良品質骨材の不足を補うために用いた骨材を十分に検討しないまま安易に使用したことにある。確かに、天然資源に頼っている骨材では近い将来、良品質資源の確保と未開発資源の有効利用の立場から、必ず低品質骨材の利用を余儀無くされるであろう。しかしその場合には、利用する骨材の性質とコンクリートの諸特性値の関係を明確にし、場合によってはコンクリートの品質による適用範囲の分類なども必要となって来る。化学的あるいは物理的にみても低品質骨材に分類されるしらすについてコンクリート用細骨材への利用を検討することは、これらの点を明らかにさせる一資料ともなり得る。
以上のことを鑑みて、本研究では、しらすを細骨材として使用したコンクリート(以下、しらすコンクリートと称す)の諸特性について検討を行った。

5.結論
南九州に大量に存在するしらすをコンクリート用細骨材として有効に利用するため、これを用いたコンクリートの諸性質について基礎的な検討を行った。その桔果、次の結論を得た。
1)地山から採取したしらすをほぼそのままの状態で用いた場合でも、配合条件を工夫することによって充分な作業性を有するコンクリートを作成することは可能であることが明確となり、また、このための配合設計資料を得ることができた。
2)しらすを細骨材として使用した場合には通常のコンクリートよりも水セメント比を5〜10%小さくしてやることによって、通常の場合とほぼ同程度の強度特性が得られ、また、耐久性の点においても大差は見られないことが確認された。
3)しらす中の火山ガラスの一部はコンクリート中で反応してカルシウム・シリケート水和物をつくつている可能性の高いことが確認できたが、これがコンクリートの諸特性に及ぼす影響については今後の検討課題として残されている。
PDFファイル名 009-01-1002.pdf


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