種別 論文
主題 ダブルミキシングで製造したシリカフューム混入モルタルの水和反応速度と乾燥収縮
副題
筆頭著者 田澤栄一(広島大学工学部)
連名者1 米倉亜州夫(広島大学工学部)
連名者2 田中敏嗣(広島大学大学院)
連名者3 柏木勉(広島大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 63
末尾ページ 68
年度 1987
要旨 1.はじめに
水を2回に分割して混練する方法はダブルミキシング(DM)と呼ばれており1)、DMで製造したセメントペーストの性状は従来の一括混棟法であるシングルミキシング(SM)で製造した場合と比較してブリージングが著しく減少することが知られている。これは、水とセメント粒子との結合状況が混練方法によって異なるためと言われている2)
シリカフューム(Si)は非晶質SiO2を主成分とする球状の超微粒子で、また高いポゾラン反応性や充填効果(マイクロフィラー効果以下MF効果と呼ぶ)などの性質を持っているが、このシリカフュームを用いたセメントペーストをDMによって製造することにより水とセメント粒子およびシリカフューム粒子との結合状況を変化させ、ひいてはセメントペーストの水和反応速度を変えることが期待される。
乾燥収縮は水結合材比、等による水和の程度によって異なってくる。すなわち、乾燥収縮は水和反応速度や細孔構造と密接な関係があることが考えられる。
本研究では、水和反応速度や細孔構造に大きな影響を与えると考えられるシリカフュームを用いDMで製造したシリカフューム混入モルタルの水和反応速度と乾燥収縮および重量変化について、SMで製造した場合と比較検討した。すなわち、混練方法、シリカフューム置換率、水結合材比、標準養生期間を変化させた場合の転燥収縮特性を、DM効果、MF効果、水和反応速度、細孔径分布、圧縮強度などと関連づけて検討を行なった。

4.まとめ
本研究は、ダブルミキシングで製造したシリカフューム混入モルタルの水和反応速度、乾燥収縮および重量変化率について、通常の混練方法(SM)の場合とシリカフューム置換率、水結合材比、標準養生期間などを変化させて比較検討を行なった。本研究の範囲内で次のようなことが明らかになった。
(1)水結合材比30%の場合、シリカフューム置換率10%程度でダブルミキシングで製造したシリカフューム混入モルタルの乾燥収縮は、通常の方法で製造した場合より同一長期乾燥日数において小さくなる。シリカフューム置換率20%の場合、養生期間が短いと乾繰収縮はダブルミキシングで製造した場合のほうが通常の方法で製造した場合よりも同一長期乾燥日数において大きくなる。
(2)セメントペースト量が0.6(m3/m3)と一定である各種モルタルの乾燥収縮はモルタルの圧縮強度と一義的な関係を持ち、圧縮強度が大きいほど小さくなっている。水結合材比18%の場合の乾燥収縮は50%の場合の約1/3になっている。
(3)シリカフュームで一部を置換したセメントを用いたペーストの細孔構造、水和率、乾燥収縮-重量変化率曲線の形状がダブルミキシングの影響を受けることが明らかになった。
(4)シリカフュームを用いダブルミキシングで製造したセメントペーストの水和反応速度は、通常の方法で製造した場合より大きくなる。
PDFファイル名 009-01-1012.pdf


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