種別 論文
主題 シリカフューム、高炉スラグ粉末のAAR膨張抑制効果について
副題
筆頭著者 森野ケイ二(愛知工業大学工学部)
連名者1 柴田国久(愛知工業大学工学部)
連名者2 岩月栄治(愛知工業大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 81
末尾ページ 86
年度 1987
要旨 1.まえがき
ポゾラン質混和材には、アルカリ骨材反応(以下、AARと記す)によるコンクリートの膨張を抑制する効果のあることが知られている。抑制効果の認められている混和材は、シリカフューム、高炉水砕スラグ粉末、フライアッシュなどであるが、その他の鉱物質微粉末が有効な場合もある[1]。混和材の抑制効果が現われるためには、一定量以上の混入が必要で、不適切な混入では十分な効果が発揮されず、逆効果になる例さえある[2]。最適な混和材の使用量は、骨材の種類によって異なる。これは骨材中に含まれている反応性鉱物の種類と量が骨材の種類によって異なるからで、AARの反応自体が異なるものである。膨張抑制は反応性鉱物とアルカリとの反応に混和材が加わることによって生じるものであるから、これら3つの材料の性質を相互に関連付けて検討する必要がある。
わが国の各地で被害を起こしている骨材に含まれる反応性鉱物は、二つのグループに分かれる。一つは、安山岩で代表される火山ガラス、クリストバライト、トリジマイトの火山岩系の反応性鉱物グループである。もう一方はチャートで代表される潜晶品質石英、玉髄質石英、歪のある石英および非晶質シリカ(オパール)の堆積岩系の反応性鉱物グループである。前者をガラス系、後者を石英系とまとめることができる。本研究では、このように反応性鉱物の異なる骨材に対して、各種混和材の膨張抑制効果は、どのような相違を示すかを調べたものである。本報告では、主としてシリカフュームの実験結果について記し、その他の混和材については考察に必要な結果のみを記した。

4.まとめ
反応性鉱物の異なる骨材-安山岩、チャート、シリカ鉱物-に対する各種混和材の膨張抑制効果をモルタルバー法によって調べた結果は、次のようである。
1.安山岩(ガラス系反応性鉱物)とチャート(石英系反応性鉱物)とで、AAR自体の膨張挙動が異なるため、この反応性の相違が、抑制効果に反映する。
2.混和材の膨張抑制効果は、同一骨材であっても、ペシマム配合比かどうかで異なる。従って、抑制効果の評価は、ペシマム条件下で行なう必要がある。
3.有効な混和材混入量の最少限度は骨材の種類とアルカリ量によって変化する。
4.使用した殆んどの混和材において、5%程度の混入では、モルタルバー膨張がかえって増加した。ただし、これはアルカリ量1.5%(Na2O当量)で、チャート骨材使用時の試験結果である。
PDFファイル名 009-01-1015.pdf


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