種別 論文
主題 蒸気養生がアルカリ硫酸塩を添加したセメントを用いたコンクリートの諸性状に及ぼす影響
副題
筆頭著者 小倉盛衛(関東学院大学工学部)
連名者1 小林一輔(東京大学生産技術研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 157
末尾ページ 162
年度 1987
要旨 1.まえがき
アルカリの多いセメントを用いた場合には、異常凝結や強度低下などコンクリートの諸性状に種々の異常現象が発生する可能性があることについてはJawedおよびSkalny1)、OdlerおよびWonnemann2)、Spellman3)など多くの研究者によって指摘されているが、著者らもまたこれをこれまでの研究4)の中で確認している。
本研究は、工場製品を用いた既存のコンクリート構造物および二次製品を念頭においた劣化診断などに対する基礎資料を得ることを目的として、蒸気養生およびコンクリートの暴露がこのようなセメントを用いたコンクリートの諸性状にどのような影響を及ぼすかを明らかにするために行ったものである。コンクリート構造物が、竣功後数年でひびわれを生ずる例があることなどが近年話題となり、その原因はアルカリ骨材反応による劣化であろうとされているが、その中には原因不明のものも多数含まれている。これらに関して、筆者らはセメントの高アルカリ化に伴う品質低下そのものも無視できないのではないかと考えている。

4.結論
アルカリの多いセメントを使用した場合は、蒸気養生、暴露養生などの影響でコンクリートは異常膨張を起こして著しく劣化する可能性が高いことを、硫酸カリウムの添加によるシミュレーション実験により明らかにしたものである。
硫酸カリウムの添加を通じて、アルカリ量を増大させたセメントを用いたコンクリートの諸性状に関して以下のことが明らかになったと考える。
(1)アルカリの多いセメントを用いた場合には、蒸気養生はコンクリートの強度を著しく低下させるばかりでなく、長期に渡ってコンクリートの劣化をもたらす。この傾向はアルカリ量を増すに従って顕著となる。
(2)アルカリの多いセメントを用いた場合には、蒸気養生を行ったコンクリートは水中で急激な異常膨張を引き起こし、硫酸カリウムの添加率が5%の場合には、膨張率が1%以上にも達する。この傾向は水セメント比が小さくなるほど顕著となる。
(3)水中養生を十分に行った長期材令のコンクリートであっても、アルカリの多いセメントを使用した場合は、暴露の結果、水中で異常膨張を引き起こす。この傾向は水セメント比が小さくなるほど顕著となる。
PDFファイル名 009-01-1028.pdf


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