種別 論文
主題 フライアッシュを用いた新硬化体の海洋構造物への適用性
副題
筆頭著者 長瀧重義(東京工業大学)
連名者1 大賀宏行(東京工業大学)
連名者2 谷口公一(東京工業大学研究生)
連名者3 染谷健司(東京工業大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 211
末尾ページ 216
年度 1987
要旨 1.まえがき
近年、海洋開発に対する関心が急速に高まり、多くの国によって開発・研究が進められており、わが国においても国の重要施策の一つとしてこれを強力に推進している。ところが、主要材料の一つであるコンクリートは海洋環境下において波力等による物理的劣化および海水の成分とセメント水和生成物との化学反応等による化学的劣化を受けるという問題がある。コンクリートの化学的劣化を改善する手段としてはポゾラン質の材料を混入することによりC3A量の低減を図ることの有効性が一般に報告されている(1)。しかし、ポゾラン質材料の一つであるフライアッシュを多量に使用した場合には初期強度の低下が問題となる。したがって、海洋開発の伸展に伴って、海洋環境条件や海洋構造物の機能に適合した新材料の開発が活発に行なわれる必要がある。
一方、石炭専焼火力発電所より副生される石炭灰は年々増加の一途をたどっているが、石炭灰のうち有効利用されているのはごくわずかであり、大部分は廃棄処分されているのが現状である。
本研究は海洋構造物の機能に適合した新材料の開発を目的として、フライアッシュを多量に用いた新硬化体の材料特性を明らかにするとともに、これら新硬化体の耐海水性を強度発現性状、体積変化特性および微細組織と関連させ検討したものである。

4.まとめ
本研究により得られた結果を以下に示す。
(1)各種反応刺激剤を混入した新硬化体の混合直後の特性および強度特性において、NaClの混入改善効果はNaOHおよびCa(OH)2の場合と比較して顕著である。
(2)NaClを混入した新硬化体は初期強度が大きく、材令の経過に伴う顕著な強度増加を示す。
(3)NaClを混入した新硬化体の耐海水性は強度特性および体積変化の2点より判断して良好であり、海洋構造物材料として十分適用できるものと考えられる。
(4)NaClを混入した新硬化体の顕著な強度増加はフリーデル氏塩の生成およびボゾラン反応により硬化体組織が緻密化したことによるものと考えられる。
PDFファイル名 009-01-1037.pdf


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