種別 論文
主題 新しい促進試験による表面被覆のアルカリ骨材反応抑制効果に関する研究
副題
筆頭著者 武吉理夫(日本ペイント開発第1プロジェクト)
連名者1 片脇清士(建設省土木研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 609
末尾ページ 614
年度 1987
要旨 1.まえがき
近年、コンクリートの劣化が問題化し、話題となっている。その劣化原因には、いくつか上げられるが、一原因としてアルカリ骨材反応によるコンクリート構造物のひび割れ劣化があげられる。現在、この劣化反応機構の解明や、劣化構造物の補修対策に関して種々の研究が行われ、反応が進むためにはコンクリート外部からの水の補給が必要とも言われている。又、反応を促進させる有害イオンのある事も知られている。このような点から、反応が生じている構造物の被害の遅延や反応の発生予防法の一つとして、表面被覆による水その他の遮断が有効であるとの報告がすでにいくつかされている。しかしながら、短期間でこの反応によるひび割れを発生させる有効な促進方法が確立されていない事もあり、報告によって試験方法がまちまちであったり、実環境にありえないものであったりで、どの様な被覆材が最も有効であるのか、またその保護効果の寿命等明確なものとはなっていないのが現状である。
本研究では、このような観点から、アルカリ骨材反応によるひび割れ発生促進に有効である室内促進試験機の開発と、それによる表面被覆効果の有効牲の立証を目的とし、61年度部外研究員として建設省土木研究所にて実験、検討したものである。

4.結論
以上の結果より今回仮説にもとづき試作した促進試験機が、アルカリ骨材反応によるコンクリートのひび割れ促進に有効な事が確認された。又、同一条件で行った種々の被覆材の試験から、外部からの水分等を遮断すればアルカリ骨材反応によるひび割れ発生を防止或いは遅延できる事が確認された。通気型であるシラン系浸透材は簡易であるが、その効果の持続性に問題がある事が判明した。今後継続して研究を進める事により、実環境でのコンクリート構造物のひび割れ発生期間、配合等わかれば本装置による促進試験結果をもとに表面被覆によるひび割れ防止或いは抑制寿命が推定でき、又、有害骨材と判定された骨材使用コンクリートのひび割れ実証試験や実構造物採取コア等によるひび割れ発生の可能性検証及び寿令の推定、本装置の複合条件変更による再試験等によりアルカリ骨材反応に起因する割れ発生のメカニズム(抑制メカニズム)の推定などができるものと思われる。
PDFファイル名 009-01-1108.pdf


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